5月の化学火災(4月に続いてバイオマス発電での火災)
災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。
5月30日「製鉄所で排気用ダクトが破裂」山口県
山口県周南市の製鉄所で、電気炉除塵前の排気ガスを集塵機に送る排気用ダクトの破裂。従業員1名が鼻血と耳の痛みで病院に搬送された。
雷が落ちたような音がして、茶色い煙が上がったとのこと。
この事故に関連して、最近製鉄所での事故が相次いでいるとの報道がみられた。
製鋼設備トラブル(ガス関係とみられる)(5月25日)
集塵機火災事故(5月28日)
5月30日「中学校で硫化水素を発生させる実験中に体調不良」長野県
長野県岡谷市の中学校で、理科の実験中に生徒4名が体調不良となり、病院に搬送されたが軽症。20mLの塩酸が入った容器に少量の硫化鉄を加える手順を誤り、直接、容器外の硫化鉄に塩酸をかけたため、想定よりも多量に硫化水素が発生した可能性
5月25日「繊維強化プラスチック工場で火災」三重県
三重県東員町のプラスチックの製造・加工会社の繊維強化プラスチック(FRP)製造工場が全焼し、敷地内にある別の会社のコンテナ型の社員寮と、隣接する住宅の一部に延焼した。
5月21日「油脂製造工場火災」静岡県
静岡県静岡市の油脂等の製造工場で、敷地内の機械から出火し、約5時間後に鎮火した。
5月20日「バイオマス発電所で火災」島根県
島根県津和野の木質バイオマスを燃料として24時間稼働するバイオマス発電所での火災。出入口のシャッターと壁の一部が焼けた。木質バイオマス燃料の蓄熱の可能性。
5月17日「金属リサイクル工場の火災」三重県
三重県松阪市の金属リサイクル工場で火災が発生し、敷地内の約2000平方mの資材置場に置かれていた鉄屑、プラスチック片、家電製品などの金属スクラップ約10000立方mが焼け、隣接する鉄骨造平屋建ての建物に延焼し、8時間後に鎮火した。
5月9日「伸銅工場の試運転中の火災」栃木県
栃木県日光市の圧延機の試運転中に火災となった。試運転中に圧延ロールが熱を帯び、圧延油に引火し火災に至ったが圧延機に損傷はなかった。
5月9日「大規模なタンク火災で1名が死亡し、130人以上が健康被害」タイ
タイ国ラヨーン県の港湾にある大型タンクが爆発し、化学物質の流出を止めるために地上18メートルの高さにあるタンクのバルブを閉めに登った社員が爆風に煽られて転落死したほか、従業員3人と消防隊員2人が負傷した。周辺住民や工場労働者など少なくとも130人以上が、化学物質の煙霧などで健康被害を受けた。めまい、嘔吐、結膜炎などの症状を訴える人が133人に達した。うち78人は軽症だが、55人は医療機関での治療を受けている。
爆発したタンクには合成樹脂を製造するための熱分解ガソリンが貯蔵されていた。事故直後消防隊も避難を余儀なくされるほど火勢が強くなったが、約8時間後に鎮火した。
5月5日「有機肥料工場で火災」鹿児島県
鹿児島県日置市にある有機肥料などを製造する工場で火災が起き、工場内の機械が焼けた。加熱発酵を伴う工程があり、蓄熱火災の可能性。
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