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最新!化学事故情報

10 月の化学火災(酸欠、ガス中毒で救援者が被災する)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

10月31日「メッキ工場で剥離剤による中毒事故」長野県
長野県東御市のメッキ工場で作業をしていた作業者が帰宅後に呼吸困難となり、搬送先の病院で死亡した。メッキの剥離工程で剥離剤による中毒とみられる。
ひとこと:メッキの剥離剤には特定化学物質ジクロロメタンやベンジルアルコールなど毒性の高い物質が使用されることがあり、事前に使用薬品のSDSを調べ、換気や適切な保護具の使用が必要である。。

10月31日「フィルム工場で一酸化炭素中毒 救援者も被災」愛知県
愛知県東海市の耐熱フィルム工場の屋上で、異常振動のあるダクトのファンの解体、清掃中に、一酸化炭素中毒の症状で救援に行った作業員を含めて4名が病院に搬送された。

10月28日「小学校の実験中にカセットボンベ未着火で体調不良」福岡県
福岡県福岡市の小学校の理科室で6年生の児童が塩酸にアルミニウムを溶かしたものを加熱して蒸発させる実験中に、7名が体調不良となり病院に搬送された。
カセットボンベに着火せず、カセットボンベのガスを吸い込んだものとみられる。

10月27日「製油所で保守作業中に爆発 水素の漏洩」台湾
台湾高雄市の水素化脱硫装置の保守作業中に、爆発があり、大規模な火災が発生した。配管内に残留していた水素に着火した可能性。けが人はなかった。

10月27日「木材工場のチップサイロで火災 蓄熱火災の可能性」秋田県
秋田県秋田市の材木工場で容量約400立方mのサイロ内に貯蔵されていた木材チップから出火し、火災となった。約47時間後に鎮火したが、サイロ内のチップ約200立方mが焼けた。

10月27日「合板工場で乾燥機の火災」秋田県
秋田県秋田市の合板工場の乾燥機から出火し、火災となった。鎮火まで6日を要した。

10月21日「製鉄所で保守作業中に酸欠 救援者が死亡」北海道
北海道室蘭市の製鉄所のコークス炉保守作業中の混炭機の高さ約2mのタンク内で酸欠事故が起き作業員2名が死亡した。1名がタンク内に落とした工具を取りに入って倒れ、助けに入った1名も死亡した。内部で作業する際に、酸素濃度測定を怠っていたことから、元請会社、下請けの現場責任者などが書類送検された。

10月18日「木材加工工場で火災」富山県
富山県砺波市の木材加工工場で火災が発生した。工場は無人であったが、木材加工で出た端材を焼却炉で燃やしていた。工場が全焼し、敷地内の事務所兼作業所が焼けた。隣接する別の製材所の資材置場に延焼して全焼した。

10月16日「製油所で配管検査中の手順不遵守で放射線被曝」茨城県
茨城県鹿嶋市の製油所で 作業員2名で配管の継目の検査のため、ガンマ線透過試験装置による配管内部の撮影中に、装置の放射線が出る先端部分を遮蔽容器に入れるの忘れ、約5分間作業をしていて被曝した。作業員に体調不良はなかった。

10月12日「石膏製品工場で火災」兵庫県
兵庫県姫路市の石膏工場で火災があり、従業員50人が避難した。工場内の石膏の原料を混合する機械から出火した可能性。

10月11日「鉄鋼工場で溶鋼の漏れで火災」山口県
山口県山陽小野田市の製鋼工場の連続鋳造設備から溶鋼が漏れ、周囲の他の生産設備に着火し火災となった。生産再開は11月中旬。

10月8日「紡績工場でごみ焼却中に火災」石川県
石川県白山町の紡績工場で焼却炉へのごみの投入口付近から出火し、周辺に置かれていた焼却用のごみに延焼した。焼却作業をしていた作業員1名が消火活動中に煙を吸い、喉のやけどで軽傷を負った。

10月6日「食品工場で火災」静岡県
静岡県焼津市の魚粉や魚抽出エキスなどを製造する工場で火災が発生した。当日は出火の約20分前まで稼働していた。
ひとこと:魚粉は不飽和脂肪酸を含有するため酸化されやすく、天ぷらかすなどと同様に蓄熱発火の可能性がある。

10月5日「大学の実験室で爆発」広島県
広島県東広島市の大学で、学生3名で化学反応実験中に爆発が起きた。学生1名の白衣に火災が燃えうつり、顔と首にやけどを負った。他の学生には被害はなかった。

10月4日「原子力発電所で配管から軽油が漏洩」新潟県
新潟県柏崎市の原子力発電所で、点検中の発電機の復旧準備のため、燃料タンクから軽油の通油作業中に燃料配管の接続部から軽油約100Lが漏洩した。配管の接続部に不具合があった可能性。

10月3日「中学校で理科の実験中に過酸化水素水が噴出 希釈せずに使用」青森県
青森県三沢市の中学校で二酸化マンガンと過酸化水素水をフラスコに入れて酸素を発生させる実験中に過酸化水素が噴出し、生徒12名の目や手足に飛散した過酸化水素水が付着したが軽症であった。希釈して使用しなければならない30%の過酸化水素水を薄めず実験に使用したため急激な反応が生じた。

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