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最新!化学事故情報

9月の化学火災(化学工場のフッ化水素漏洩で汚染 韓国)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

9月30日「薬品工場で爆発、火災」韓国
韓国ソウル近郊の華城の薬品メーカーの工場で、爆発による火災が発生し、1人が死亡、17人が重軽傷を負った。建屋内のアセトン蒸気に着火した可能性。

9月28日「化学工場爆発でフッ化水素ガス漏出」韓国
韓国慶尚北道亀尾市の化学工場で爆発が起き、5人が死亡、18人が負傷した。この事故でフッ化水素酸8トンが漏洩し、周辺住民約3200人が頭痛や吐き気、のどの痛み、重度のせきなど体調不良を訴えているほか、農地230ヘクタールが汚染されるなど、被害が広がっている。経済的損失は12億5000万円に上るとのこと。
ひとこと:韓国では2012年に化学工場からのフッ化水素漏洩で従業員5人が死亡し、住民4000人が健康被害を受けるという事故があり、2013年、2017年には半導体工場で従業員がフッ化水素を被ばくする事故も起きている。

9月25日「製鉄所でクレーン車の火災」大分県
大分県大分市の製鉄所で、加工前の鉄の運搬に使用される大型クレーンの点検中の火災。エンジン付近から出火した可能性。

9月20日「樹脂製品原料工場のタンクで火災」宮崎県
宮崎県延岡市の食品用ラップフイルムの原料を製造する工場で火災。何らかの原因でタンクから出火した可能性。

9月16日「製鉄所で高炉内の熔鉄が飛散して火災」大分県
大分県大分市の製鉄所で火災。高炉の製銑工程で、炉内の高温の銑鉄の一部が飛散し、近くにあった材料袋に着火した可能性。1時間で鎮火した。

9月15日「食品香料工場のタンク内で一酸化炭素中毒 救援者も被災」群馬県
群馬県板倉町の食品用香料製造工場で、コーヒー豆の水蒸気蒸留用のタンクにたまった留出液を排出した後の作業中に一酸化炭素中毒事故が発生。1名が一酸化炭素中毒により死亡、救助に入った2名も一酸化炭素中毒となったが回復した。
事故発生時のタンク内には 、致死量をはるかに超える30000 ppm 以上の一酸化炭素が滞留していたものと推定された。
ひとこと:酸素欠乏空気、一酸化炭素、硫化水素への不用意な救助活動は二重災害となる。

9月15日「プラスチックリサイクル工場で火災」静岡県
静岡県磐田市のプラスチックリサイクル工場で火災が発生し、工場1棟約1400平方メートルと倉庫2棟が全焼した。堆積された廃プラスチックの量が多く、消火が難航した。また、火事の影響で周辺住宅など190世帯が停電した。

9月13日「原子力発電所で変圧器の火災」茨城県
茨木県東海村の運転停止中の原子力発電所の仮設変圧器で火災が発生したが初期消火で消し止めた。現場は放射線管理区域外で放射性物質の漏洩はなく、環境への影響はなかった。

9月10日「電品部品工場でダクトの火災」秋田県
秋田県横手市の電子部品工場2階のダクトから出火した。初期消火にあたった従業員1名が煙を吸うなどして喉の痛みで病院に搬送されたが、他の従業員は避難して無事だった。

9月6日「製紙工場のボイラーで爆発 水蒸気爆発の可能性」福島県
福島県いわき市の製紙工場の発電用バイオマスボイラーで爆発が起きた。木材チップなどの燃料をボイラーに投入する準備作業中に爆発。グループ会社の作業員1名が負傷した。ボイラー内に水が漏れて水蒸気爆発が起きた可能性。

9月6日「衣料品とプラスチック製品の倉庫で火災 消火に時間を要した」岐阜県
岐阜県羽島市の衣類物流会社とプラスチック成形加工会社が共同で使用する倉庫で火災が発生した。倉庫内では従業員8名が部品の加工や製品の組み立て作業中であったが、避難してけが人はなかった。可燃物が多かったため、鎮火に24時間近くを要した。

9月5日「自動車工場のアルミニウム鋳造工場で火災」栃木県
栃木県上三川町のアルミニウムを鋳造して自動車のエンジンなどの部品を製造する工場で火災が発生した。工場内のシリンダヘッドの熱処理用機械の下に敷かれていた樹脂製シートやウエスなどが焼けた。

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