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最新!化学事故情報

8月の化学火災(石油タンクへの落雷で爆発、火災 キューバ)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

8月29日「製油所の配管から塩酸が漏洩 中和により無害化処理」大阪府
大阪府高石市の製油所の純水精製装置の配管から濃度35%の塩酸約900Lが防液堤内に漏洩した。漏洩停止後、漏洩した塩酸は中和して排水として処理した。

8月28日「大学の実験施設で爆発、火災」北海道
北海道室蘭市の大学の無人の超音速風洞実験施設で爆発音とともに火災が発生した。施設の内部約46平方メートルが焼けた。けが人はいなかった。

8月26日「工場のタンクから塩酸が漏洩」茨木県
茨木県神栖市のガラス工場の円柱形のタンクに貯蔵されていた35%塩酸の全量約1200tが漏洩し、一部が海に流出した。中和作業に当たるとともに、海への流出分を薄めるため放水した。腐食によりタンクの底に穴が開き、塩酸が漏洩した可能性。工場の従業員3名が喉の痛みで病院に搬送されたが軽症。

8月19日「砕石工場で廃火薬の処理中に爆発」岩手
岩手県八幡平市の砕石工場で、砕石用火薬の焼却廃棄時に、火薬の燃焼状態が悪かったため油をかけたところ爆発が起き3名が火傷を負った。

8月18日「樹脂原料工場で配管の火災」宮崎県
宮崎県延岡市の繊維工場で火災が発生し、2時間後に鎮火した。屋外に設置された配管から出火した可能性。

8月15日「保温材工場から濃硫酸が水路に流出」静岡県
岡山県浜松市のけい酸カルシウムの保温材を生産している工場で、生産過程で出るアルカリ性物質の中和に使用していた硫酸が漏洩した。機器の不具合で濃硫酸を希釈する水が供給されず、硫酸タンクに接続する配管が発熱して損傷し濃硫酸、数100Lが漏洩して土壌や水路に流出した。土壌汚染などは報告されなかった。

8月13日「製油所で大気開放弁の誤開放により敷地外に油分が飛散」岡山県
岡山県倉敷市の製油所で、コークス製造装置の大気開放弁を誤開放し、ガスやミスト状の油分が飛散した。近隣の事業所などで車両や建物などへの油分の付着が確認された。

8月5日「石油貯蔵施設で落雷による火災、爆発」キューバ
ハバナ東方マタンサスの石油貯蔵施設で落雷により1基が炎上し、他のタンクに延焼して4回の爆発を伴う大規模なタンク火災となった。1名が死亡、消防士14名が行方不明となり(報道)、100名以上が負傷した。

8月4日「解体中の研究施設で排水管破断により放射線物質が漏洩」茨城
茨木県の放射性物質を利用した医薬品の研究施設の解体中の実験棟で放射線物質が漏洩。破断した排水管からトリチウムなどが土壌に漏洩していた。その後の調査で、人体への影響はないと判断された。

8月2日「化学工場のマグネシウム保管倉庫で火災 放水消火できず」岡山県
岡山県総社市の化学工場の倉庫から火災が発生した。倉庫にはマグネシウムやプラスチック廃材などが保管されていた。マグネシウムは放水消火ができないため、消防が周囲の民家や山林などに放水して延焼を防ぐなどした。約62時間後に鎮火したが、倉庫1棟約120平方メートルが全焼し、別の2棟も焼けた。

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