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最新!化学事故情報

3月の化学火災(ベルトコンベア火災、粉じんの爆発)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。
また、センター専門家による「ひとこと」欄も参照いただきたい。

3月29日「金属加工工場で熱処理中の火災」兵庫県
兵庫県高砂市の金属加工工場の熱処理用油のタンクから火災が発生した。天井の一部を焼いたが、けが人はいなかった。船舶用発電機部品製造のため900℃の鋼材を油槽で冷却する作業中であった。

3月28日「ゴミ焼却施設でリチウム電池からの火災」新潟県
新潟県三条市のごみ焼却施設のピットから火災が発生した。ピット内に混入したリチウムイオン電池製品を重機で作業したときの衝撃で発火したものと推定されている。

3月26日「自動車部品工場で機械の解体作業中に火災」三重県
三重県亀山市の自動車部品製造工場で火災が発生し、工場約170平方メートルを焼損した。一人が軽いやけどを負い病院に搬送された。
ガスバーナなどを使って工場内の機械の解体作業中に、作業中の火花が付近のビニールシートなどに燃え移った。

3月21「工場の集じん機付近での火災」岩手県
岩手県盛岡市の金属製品の加工や研磨を行っている工場で火災が発生し、従業員1人が足などに火傷を負った。負傷した従業員は1人でアルミニウム製の部品を削る作業中で、集じん機で吸い取った削りかすを捨てるため、集じん機のふたを開けたところ、出火した。

3月20日「化学工場でアセトンの廃棄作業中の火災」新潟県
新潟県糸魚川市の化学品製造工場で火災が発生し、アセトンを廃棄する作業をしていた社員1人が火傷した。クロロプレン製造プラントエリアに保管中のドラム缶より出火した。

3月17日「自動車工場で電池パックの火災」愛知県
愛知県豊田市の自動車工場の研究施設で、開発中の電池パックの性能評価の準備の際に、電池パックが燃えた。同社では3月7日にも実験棟屋上にあった試験車両から出火し、9台が焼ける火災があった。

3月16日「廃棄物処理施設の試験稼働中の火災」愛知県
愛知県武豊町の廃棄物処理施設のごみピットに集積された可燃ごみから出火、約3時間後に鎮火した。けが人はいなかった。新設のごみ焼却施設で、4月からの本稼働を前に1月から試験稼働中だった。

3月14日「鉄鋼会社の脱硫剤工場での火災で7人死亡」中国
中国内モンゴル自治区のペレット状脱硫剤工場で火災が発生した。約1時間後に鎮火したが、作業員7人が死亡した。出火時は保守点検作業中だった。
ひとこと:ペレット状脱硫剤とは工場棟で発生する硫化水素を吸着除去するもので、脱硫剤によっては発熱の危険性があるとされている。
「硫化水素の高温乾式脱硫 における酸化鉄系天然鉱物類の脱硫容量と物性との関係」参照櫛山暁, ほか, 日本エネルギ ー学会誌, Vol.73,  pp737-747(1994)

3月13日「無人の大学の実験室で火災」宮城県
宮城県仙台市の大学実験室で火災があり、同室を全焼した。出火当時実験室は無人だった。

3月13日「化学工場で原料の黄リンが自然発火」富山県
富山県射水市のリン製品を製造する化学工場で火災が発生し、稼働中の機械や配管を焼き約6時間後に鎮火した。原料の黄リンが配管から漏洩し、空気と反応して自然発火したとみられる。

3月12日「製材工場で火災」静岡県
静岡県御前崎市の製材工場で火災が発生し、敷地内の大型トラックやチップ、廃材などが焼けた。

3月11日「火力発電所で石炭による火災」石川県
石川県七尾市の火力発電所で火災が発生した。燃料の石炭を運ぶ幅1.6メートル、全長270メートルの金属製ローラーが故障し、回転の摩擦で過熱してローラー下に堆積した石炭くずにその熱が伝わり、強風が吹き込んだことで発火した。
再発防止のため、コンベヤーの監視を強化し、石炭くずの清掃方法も見直すこととした。

3月11日「製鉄所の銅スラグ冷却施設で火災」大分県
大分県大分市の製鉄所で、1000℃以上の銅スラグを水冷する施設で火災が発生した。銅スラグ冷却時に発生する水蒸気の拡散を防ぐためのゴム製カーテンが焼けた。

3月9日「大学の実験用温室で火災」北海道
北海道札幌市の大学農学部の実験用植物用温室で火災が発生した。灯油を燃料としたボイラーまたは電気配線の不具合により温室の機械室から出火したとみられる。

3月7日「廃棄物処理場で廃棄物の選別中に刺激臭発生」広島県
広島県広島市の一般廃棄物処理施設で、資源ごみの手選別作業中に刺激臭が発生し、作業員10名が目や喉の痛みなどで体調不良を訴え、2人が病院に搬送された。その後の調査で有害物質は検出されず、原因は不明という。

3月7日「廃棄物破砕施設ベルトコンベアでの火災」北海道
北海道千歳市の廃棄物破砕処理場から出火し、施設内のベルトコンベヤーなどを焼いた。約2時間後に鎮火し、けが人はいなかった。破砕処理場のベルトコンベヤー上のごみから出火した。リチウム電池やスプレー缶などの不燃ごみが粉砕時に発火したとみられる。

3月7日「製鋼所で鉄粉による粉塵爆発」兵庫県
兵庫県高砂市の製鋼所の鉄粉製造工場の試験用乾燥炉で爆発が起きた。建物の損傷はなかったが、作業中の従業員1名が死亡し、近くで作業していたグループ会社社員2名が軽傷を負った。死亡した従業員は、試験用乾燥炉で鉄粉を乾燥させていた。
ひとこと:鉄粉は細かい粉じんの状態では、爆発を起こすことがある。過去にも鉄製コイル製造ラインの前処理作業での除じん工程でダストボックスの鉄粉じんが爆発し、作業者1名が火傷を負った例がある。この事故では本来80℃になるとラインが停止することになっていたが、運転停止温度を100℃にしていたため、危険な状態になるまでラインが稼動し続け、爆発になったとのことであった。
(職場の安全サイト 厚生労働省)参照
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101125)

3月1日「産業用爆薬工場で火薬類の計量作業中に爆発」宮崎県
宮崎県延岡市のニトログリセリンや硝安油剤爆薬*などを製造する工場で、火薬類を計量中に爆発が発生した。工室が全焼し、周辺の学校などの公共施設や住宅など約50棟の窓ガラスや壁が破損した。計量作業中の従業員1名が死亡し、4名が負傷した。工場にはダイナマイト約3万本分に相当する、「ニトログリセリン」と「ジエチレングリコールジナイトレート」が保管されていた。
ひとこと:硝安油剤爆薬*(ANFO爆薬)は硝酸アンモニウムと軽油を主成分とする比較的鈍感な爆薬で、土木工事などで幅広く使われている。製造中の事故はほとんどないが、使用時には爆発による労災も発生している。

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