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最新!化学事故情報

11月の化学火災(気になる事例・・シアン化水素、塩素中毒)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://riss.aist.go.jp/sanpo/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。
また、センター専門家による「ひとこと」欄も参照いただきたい。

11月29日「RPF製造施設での火災」愛媛県
新居浜市の一般廃棄物処理工場から出火し、鉄骨平屋約千平方メートルを全焼した。工場内にはRPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel 廃プラスチック等を原料とする固形燃料)製造のためのプラスチックや段ボールなどを置かれていた。
ひとこと:RPFは加熱成型後の冷却不十分な状態で堆積すると、プラスチックなどの酸化蓄熱により火災となる可能性がある。

11月28日「製鉄所の倉庫で火災」愛知県
愛知県半田市の製鉄所の資材倉庫から出火し、約400平方メートルが全焼した。けが人はいなかった。倉庫には作業用の足場やタイヤなどが置かれていた。

11月27日「化学工場の定期修理中にシアン化水素で死亡」愛媛県
愛媛県新居浜市の化学工場のメチオニンプラントの定期修理の洗浄作業中に、協力会社作業員が死亡した。その後の調査で、作業中に気化したシアン化水素を吸い込み、中毒となった可能性が高いと推定した。
事故当時、液体のシアン化水素を製造する設備で高圧洗浄機を使用しており、設備内の細い配管に残っていたシアン化水素が気化したとみられる。
被害者はこれまでも同じプラントで作業に複数回従事しており、会社が定めた基準に準じて防護服やマスクを着用していた。作業前には社員が設備内を水で洗うなどしたほか、ガス検知器で安全を確認していた。
同社は再発防止に向け、作業前の水での洗浄回数を増やし残留物の確認を徹底するほか、作業中に着用するマスクは外気を取り込まない装備に変更する。

11月23日「大学の実験室でホットプレートからの火災」北海道
北海道札幌市の農学部の実験室で実験中に火災が発生し、火元付近のテーブルや棚などが焼けた。実験室のホットプレート上の樹脂から出火した。

11月23日「半導体関連化学工場で火災 混触発火の可能性」山梨県
山梨県上野原市の半導体製造用高純度化学薬品などを製造する化学工場で火災が発生し、開発エリアの一部(60平方メートル)を焼損した。従業員が左手をやけどする軽傷を負った。薬品を混ぜていたところ、操作を誤り火が上がったという。

11月20日「医薬品原料工場で爆発 2人死亡」中国
中国浙江省台州市天台県の医薬品原料工場内の汚水調整池で爆発が起き、従業員2人が死亡、5人が負傷した。

11月15日 「工場で爆発」静岡県
静岡県浜松市の染色工場で爆発が発生したが、けが人はなかった。

11月14日「製鉄所でベルトコンベアの火災」兵庫県
兵庫県加古川市の製鉄所内で鉄鉱石を運搬するためのベルトコンベアで火災が発生した。焼けたベルトコンベアは、作業員が常駐しない場所に設置されていた

11月7日「ごみ処理施設で火災 ゴミ処理が停止」石川県
石川県加賀市のごみ処理施設リサイクル棟のベルトコンベアから出火し、12時間後に鎮火した。同センターの全面再開まで2月を要した。

11月5日「中学校で塩酸の電気分解実験の後、塩素ガスを吸入」兵庫県
兵庫県神戸市の中学校で塩酸を電気分解し、においで塩素の発生を確かめる実験の後片付け中に、生徒7人が体調不良で病院に緊急搬送されたが、全員軽症。

11月3日「食品工場で火災」新潟県
新潟県阿賀野市の食肉加工工場(ハンバーグ工場)での火災。工場は操業中で、従業員約12名がいたが、全員避難してけが人はなし。

11月1日「無人の製紙工場で配電盤の火災」静岡県
静岡県富士市の製紙工場の配電盤から火災が起きたが、けが人はいなかった。工場は稼働しておらず火災報知機が作動し、従業員が初期消火をした。

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