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最新!化学事故情報

2021年6月前半の化学火災(化学火災では消火水による環境汚染にも注意)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

6月14日「潤滑油工場の火災で製品が流出」米国
米国イリノイ州にある潤滑油メーカーの製造工場で爆発が起き、工場の施設が炎上した。半径約1.6キロの住民に避難指示が出され、1000人が避難した。同工場では潤滑油用添加剤を製造しており、それが消火水によって河川に流入すると、環境汚染の可能性があり、放水を停止し潤滑油を焼き切ることとした。消火作業中に消防士1人が負傷した。
ひとこと:1986年スイスバーゼルの化学工場での倉庫火災では、貯蔵されていた顔料や農薬が消火水に溶けてライン川に流入し、甚大な環境災害をもたらしたことが知られている。

6月12日「自動車部品製造工場から出火」静岡県
静岡県浜松市の自動車部品製造工場から出火し、工場の内部を焼いた。けが人はいなかった。工場は稼働中だったが、従業員は逃げて無事だった。

6月2日「鋳物工場の火災で新幹線が一時運転停止」兵庫県
兵庫県太子町原の鋳物工場の火災。工場が山陽新幹線の沿線にあり、一時運転を見合わせ、最大1時間の遅れが出た。
出火当時、工場内では溶接作業をしていた。機械や部材を焼損した。

6月2日「スマートフォン製造工場の火災」中国
中国広東省深圳にある台湾・鴻海精密工業グループの部品を製造する工場での火災。火災が起きた建物で複数回の爆発が起き黒煙が上がったが、けが人はいなかった。

6月1日「停止中の原子力発電所のドレンタンクから軽油が漏洩」静岡県
静岡県御前崎市の停止中の原子力発電所の非常用ディーゼル発電機の燃料油ドレンタンクから軽油約36Lが漏洩した。ポンプで燃料油タンクに戻されるはずの発電機の余分な軽油が、ポンプの停止によりドレンタンクが満杯になり溢れた可能性。

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