post_type:post/single.php

最新!化学事故情報

2021年5月前半の化学火災(粉じん爆発が2件発生)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。

5月11日「化粧品原料製造工場での粉じん爆発」福島県
福島県いわき市の錆止塗料や化粧品材料用の金属亜鉛粉末製造工場で亜鉛粉末を風力選別する分級ファンに不具合が起き、亜鉛粉末に着火して粉じん爆発が起きた。高温の亜鉛粉末は放水による消火や冷却ができず、砂をまくなどして消火活動が行われた。協力会社社員1名が全身やけどで重傷、2名が顔へのやけど、1名がけがで軽傷を負った。
水による消火作業ができないことから温度降下に時間がかかり、鎮火まで20日を要した。

5月11日「食品工場で食品加工作業中に火災」熊本県
熊本県熊本市の食品工場で火災が発生した。火元にはぬかを炒める機械があった。作業中の従業員1名が両手首などにやけどを負った

5月10日「中学校で理科の実験で硫化水素発生」愛媛県
愛媛県松山市の中学校で、硫化鉄を用いた燃焼実験で生徒21名が体調不良となり病院に搬送されたが全員軽症。実験で発生した硫化水素を吸入した可能性。
ひとこと:理科の実験で有害ガスが発生する事故が時折発生する。例えば、鉄と硫黄の混合物を加熱して硫化鉄を作り、それに塩酸を加える実験では、混合物を加熱する際に二酸化硫黄が発生し、塩酸を加えると以下の反応が起きて、硫化水素が発生する。
FeS + 2HCl → FeCl2 + H2S
硫化水素は700ppm以上では死に至る猛毒のガスであることを認識することが必要。

5月10日「木材加工工場で粉じん爆発」愛知県
愛知県丹羽郡の材木加工工場で木屑用の集塵機の稼働中に、木屑に着火して粉じん爆発が起き、その後火災となり、工場の一部と機械を焼損した。

5月8日「包装材工場の溶剤タンクで火災」静岡県
静岡県掛川市の包装材料等の製造会社工場のフィルム塗工ラインで液供給用タンクの清掃中に出火し、工場1階にあるタンク約1平方メートルを焼き作業員が顔と右手にやけどを負って救急搬送された。
原料液供給用タンクの清掃のため、トルエンを入れたところ出火したとのこと。

5月6日「ガスバーナで廃棄物解体作業中に着衣火災」岩手県
5月6日「ガスバーナで廃棄物解体作業中に着衣火災」岩手県

5月6日「化学工場で爆発火災」中国
中国浙江省寧波市の化学工場で激しい爆発がおき、現場は炎と爆発音に包まれた。現在、死傷者の報告はない。

5月1日「材木加工会社の火災で外国人研修生が怪我」大分県
大分県大分市の木材加工会社から出火、事務所や工場、寮を焼き、約15時間後に鎮火した。寮には外国人技能実習生8人がおり、逃げる際1人が負傷した。

保安力向上センター