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最新!化学事故情報

2021年4月前半の化学火災(消火設備からの二酸化炭素の漏洩死亡事故)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。

4月15日「廃棄物処理施設の焼却炉での火災」長崎県
長崎県大村市のごみ処理施設の焼却炉周辺から火災が発生した。廃棄物運搬機の油圧シリンダから油が漏洩して着火し、廃棄物に延焼した可能性。

4月15日「二酸化炭素消火設備の誤作動で4人死亡」東京都
東京都新宿区の地下駐車場で、天井の石膏ボードの張替工事のために、取り外していた消火設備の感知器を取り付ける際に消火設備が誤作動し、二酸化炭素が放出され、同時にシャッタが下りたため二酸化炭素が駐車場内に充満した可能性。作業員6名のうち、4名が死亡し、1名が重体となった。
ひとこと:二酸化炭素は一酸化炭素などに比べて毒性は低いが、空気より重い(1.5倍)ため、密閉空間では酸素を追い出して、酸素欠乏症を引き起こす事故が後を絶たない。2020年12月にもホテルの地下駐車場で二酸化炭素消火器が噴出し、作業者が死亡している。

4月10日「FRP製造工場で火災」青森県
青森県外ヶ浜町の繊維強化プラスチック製品製造工場から出火、鉄骨平屋の工場や製品置き場など計5棟、約610平方メートルが全焼した。けが人はいなかった。
出火当時、工場は稼働しておらず、従業員はいなかった。

4月7日「製油所で火災」メキシコ
メキシコメキシコシティの製油所での火災。7名が軽傷。ガソリン移送ポンプから出火した可能性

4月2日「廃材リサイクル工場での火災」神奈川県
神奈川県綾瀬市の木質廃材をリサイクルする工場で火災が発生し、工場内にあった大量の廃材のチップが焼け、鉄骨平屋の工場をほぼ全焼した。鎮火に約15時間を要した。

4月2日「廃棄物回収中の収集車での火災」熊本県
熊本県熊本市の路上でごみ収集車の火災があり、付近の住民が協力して初期消火にあたった。当日はプラスチック廃棄物の回収日であった。
ひとこと:環境省の調査では、全国の収集車の火災は2018年度に517件発生し、これまで主たる原因とされていたスプレー缶による火災は減称しており、混入したリチウムイオン電池の発火が増加しているとのことである。

4月1日「アルミニウム加工工場での火災」愛知県
愛知県名古屋市のアルミニウム加工工場の、金属片などが野積みされた資材置場で火災が発生した。アルミニウム切削屑が焼けたため、放水ができず、砂をかけるなどして消火を行い、約68時間後に消火した。

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