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最新!化学事故情報

2021年3月後半の化学火災(生産停止が長期化した火災2件)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。

3月31日「半導体工場の変電設備での火災」台湾
台湾新竹市の半導体工場の研究開発と試験量産を行う工場で火災が発生した。クリーンルームの外の変電設備の配電盤で過電流が発生し、出火した可能性。

3月29日「核融合研究所で通電試験中に火災」茨木県
茨木県那珂市の核融合研究所の実験棟で超電導コイル電源の通電試験中に、交流接地断路器が過電流で発煙した可能性。実験棟は放射線管理区域外で放射性物質の漏洩はなかった。

3月29日「製油所でタンクの爆発・火災・・落雷の可能性」インドネシア
インドネシア西ジャワ州の製油所で火災が発生した。72基の貯蔵タンク中4基が焼け、1人が死亡し、6人が重傷、29人軽傷が軽傷を負った。当時の天候は雷を伴う大雨で、落雷の可能性もあるとされている。

3月29日「無人の大学研究室で火災」東京都
東京都新宿区の大学の理工学研究室から出火、室内の床など5平方メートルを焼いた。春休み中で実験室は無人で、隣室から通報があった。

3月27日「段ボール工場で溶接による火災」大阪府
大阪府摂津市の段ボール製造工場で火災が発生し、8時間後に鎮火したが、工場8800平方メートルを全焼した。溶接の火がパレットに燃え移った。

3月25日「化学装置製造工場で爆発」東京都
東京都大田区の化学装置の製造工場で爆発が起き、作業場のシャッターや金属製扉が吹飛び、5階立てのビルの窓ガラスが破損した。従業員1名が死亡し、1名が軽傷を負った。作業場は製品の実験などが行われ、可燃性ガスボンベなどが置かれていた。

3月24日「中古タイヤ置場での火災」宮城県
宮城県岩沼市の輸出用中古タイヤ置場で火災が発生した。野積みされたタイヤ約9,000本のうち、約5,000本が焼け、プレハブ造事務所、フォークリフト2台も焼けた。隣接する畑の野焼きの火が風に煽られ、タイヤに着火した可能性。

3月19日「半導体製造工場の火災・・自動車産業への影響多大」茨木県
茨城県ひたちなか市の半導体製造工場で火災が発生した。原因はめっき装置で過電流が発生して発火に至ったとのことである。火災は同日中に鎮火し、1月後に生産は開始されたが、自動車産業などに多大な影響が長期的に継続している。

3月19日「樹脂リサイクル工場の粉砕機で火災」岐阜県
岐阜県海津市の廃棄物リサイクル工場のプラスチック粉砕機付近から出火した。工場が全焼し、隣接する軽量鉄骨造2階建ての会社建屋等2棟に延焼した。

3月19日「合板工場で火災・・生産停止が長期化」宮城県
宮城県石巻市の合板工場で火災が発生した。負傷者はなかったが、生産が正常に戻るのは6月になる見込み。

3月16日「核燃料再処理工場の火災で放射性物質が漏洩」青森県
青森県六ケ所村の核燃料再処理工場で、分析のためプルトニウムとウランの混合物の分離作業の準備中に、グローブボックス内の塩化ビニル製廃棄物容器で火災が発生した。消火作業をした職員1名がまぶたに、また別の1名の帽子にプルトニウムとウランの混合物が付着して外部被爆したが、直ちに除染して内部被ばくには至らなかった。消火のためグローブボックス内に二酸化炭素消火剤を注入した際、プルトニウムとウランの混合物が漏洩した可能性がある。

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