2020年10月後半の化学火災(工場火災で特別損失も)
災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。
10月30日「自動車部品工場で火災」岩手県
岩手県一関市の自動車の内装用フェルトなどを製造する工場で火災が発生し、工場約1300平方メートルが全焼した。事業継続の重要性から約8億円をかけ2021年4月に工場再開。
10月22日「天然ガスパイプラインで爆発、火災」タイ
サムットプラカーン県バンボー郡で国営石油PTTの天然ガスパイプラインで爆発が起き、3人が死亡、60人以上が重軽傷を負った。パイプラインは地下約4メートルに埋設されており、爆発とともに付近の住宅街で火災が発生した。天然ガスパイプラインから天然ガスが漏洩して着火した可能性。
10月21日「ごみ収集車で火災」徳島県
徳島県徳島市内で不燃ごみを積んだごみ収集車から出火し、バケット内のごみの一部を焼いた。ごみ収集車の荷台内の廃棄物にカセットコンロ用ガスボンベやスプレー缶などが混入していた。収集時に荷台の回転板によりそれらが押しつぶされ、漏洩したボンベガス(可燃性ガス)が荷台内に滞留し、着火した可能性がある。
10月20日「半導体集積回路の製造工場での火災」宮崎県
宮崎県延岡市の半導体集積回路の製造工場で火災が発生し、5日後に鎮火した。
出火場所は4階クリーンルームのどこかと推定されたが原因は特定されていない。
工場内にスプリンクラーはないが、法定の消火器と消火栓は備えていた。消火訓練も年2回続けるが、従業員は「初期消火に向かうより火の回りが早かった」と話している。
電気ケーブル被覆材の塩化ビニルの燃焼でダイオキシン(クルーンルーム内で確認)、塩化水素が発生し、周辺住民が頭痛などで体調不良となった
同社は2021年3月の連結決算で233億円の特別損失を計上した。
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