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最新!化学事故情報

2020年8月後半の化学火災(ハリケーン、夏の大暑による事故)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。

8月31日「木材加工工場で火災」三重県
三重県大台町の材木加工工場で火災が発生し、約12時間後に消火したが、工場や事務所など敷地内の建物計11棟、約10,000平方メートルが全焼した。出火時工場は終業後で無人であった。

8月29日「化学会社から塩素が漏れ19人が入院」中国
中国安徽省の化学工場で、体塩素をタンクローリーに詰める作業を行っていたところ、ジョイント部分から漏れた。作業員が急ぎバルブを締め、管を空にした後、緊急対応チームが水を噴霧してガスを希釈する作業を行った。

8月28日「ハリケーンに伴う化学工場での火災と塩素の放出」アメリカ
米国ルイジアナ州を襲った大型ハリケーン「ローラ」の影響により、ルイジアナ州ウェストレイク市の化学工場で火災が発生し、また塩素の流出も報告された。

8月27日「樹脂加工工場で有機溶剤への着火火災、消防士が中毒」兵庫県
兵庫県神戸市のプラスチック加工の工場建物から出火、約400平方メートルを全焼した。出火当時、建物にいた従業員3人は無事だったが、消防隊員2人が気分が悪くなり、軽症。プラスチック製品の製造で使用する有機溶剤に着火したとみられる。

8月25日「織物工場の老朽織機から火災」石川県
石川県白山市の織物工場の火災で、大型の織機1台を焼損した。出火当時、工場は稼働中だった。織機は老朽化しており、電気回線のショートなど故障が原因の可能性がある。

8月24日「産業医廃棄物施設の火災で死亡」北海道
北海道上川管内東川町の産業廃棄物処理施設の建物から出火、鉄骨造り2階建て180平方メートルを全焼し、建物内で同社役員が死亡していた。

8月22日「鉄工所の火災」静岡県
静岡県焼津市の鉄工所から出火し、鉄骨造2階建ての建物約340平方メートルを焼いた。出火当時、建物に人はいなく、工場も稼働していなかった。

8月20日「廃棄物中間施設の火災」鹿児島県
鹿児島県鹿屋市の産業廃棄物中間処理場から出火、焼却炉の一部や解体した家屋の木材、ショベルカー1台を焼いた。出火当時は無人で、けが人はいなかった。

8月18日「バイオマス燃料工場で火災」愛媛県
愛媛県四国中央市のバイオマス燃料工場で火災が発生し、プレハブ平屋約1800平方メートルを全焼した。主にRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel 紙や木、プラスチックなどの廃棄物由来燃料)製造する工場で約13時間後に鎮火した。工場の主電源を入れて作業準備をしていたところ、火災報知機が鳴り、破砕機付近での出火を発見した。
ひとこと:RDFやRPF(Refuse Derived Fuel 生ごみを含む廃棄物由来固形燃料)は加熱成型時の熱で蓄熱火災となる事例が少なくなかったが、最近は製造時の管理が進み蓄熱による火災はほとんどなくなっている。

8月16日「倉庫に保管されたヘリウムガスボンベの暑熱による爆発」山梨県
山梨県南アルプス市の倉庫に保管されていたヘリウムガスボンベが爆発した。保管されていた付近の日中の最高気温は39℃近くまで上昇し、倉庫内の温度はさらに高く、ボンベの内圧が上昇して破裂した可能性がある。

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