2020年7月後半の化学火災(消防職員がまたも被災)
災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。化学安全の専門家の“ひとこと”も掲載。
7月29日「合成樹脂壁紙工場で火災」滋賀県
滋賀県多賀町の合成樹脂製品工場の壁紙製造ラインから出火し、第1工場の天井など約50平方メートルを焼き、約6時間後に鎮火した。工場の天井とダクトなどの設備の一部が焼けた。工場は24時間稼働で合成樹脂壁紙などを製造していた。
7月24日「木材チップ工場の火災」徳島県
徳島県美馬市美馬町の木材チップ工場から出火。鉄骨トタン張り作業所内のベルトコンベヤーや木材チップ、ショベルカーなど約440平方メートルを焼いた。けが人はいなかった。
火災発生当時は操業しておらず、操業しておらず無人だった。作業所で清掃などを行っていた社長が発見し、通報した。
7月21日「化学工場で過酸化水素が爆発」韓国仁川
韓国仁川広域市21日午後8時51分頃仁川の化学工場の施設内で過酸化水素(35%)を積載したタンクローリーが爆発した。作業者1名が死亡し、爆発で工場建物の一部の壁が崩壊して、内部にいた職員4人が重傷、3人が軽傷を負った。また、現場対応の消防士1人が負傷した。
事故はタンクローリー周辺で過酸化水素8トンと苛性ソーダを廃棄処分するために積み替える途中であったとのこと。
ひとこと:35%過酸化水素は弱酸性(pH3.5)でアルカリと混触すると分解されやすいという報告がある(柿田公太郎「過酸化水素の危険性」、安全工学, Vol.9, pp.360(1970))
7月21日「プラスチック加工工場の火災」大阪府
大阪府大阪市御幣島(みてじま)のプラスチック部品の加工工場で火災が発生した。工場建屋610平方メーテルを焼損したが、負傷者はいなかった。
7月20日「電子基板材料製造工場で火災」福島県
福島県福島市の電子機器のプリント配線基板などの素材を製造している工場で火災が発生し、工場の一部を焼損し、工事業者2名が軽度のやけどを負った。工事業者が工場屋根部の補修工事での金属切断時の火花が可燃物に引火、延焼した。工場付近の水路で多くの小魚が死んでいるのが確認された。
7月18日「プラスチック加工工場で火災」韓国
韓国京畿道義王市の包装用プラスチック容器製造工場で火災が発生した。この火災で3人が重傷、8人が軽傷を負った。
7月16日「金属加工工場の火災で消防士が負傷」大阪府
大阪府堺市金属加工工場で火災が発生し、消火作業中の消防職員が崩れた建物の下敷きとなり、重傷を負った。経営者がバーナでアルミニウムの熔融作業中に出火し、付近にあった灯油に着火した可能性。
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