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最新!化学事故情報

2020年1月後半の化学火災

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。
過去の事故の教訓について、センター研究員の経験からの(ひとこと)も紹介する。

1月24日「カーボン電極工場の火災」富山県
富山県富山市の炭素製品製造工場で火災が発生した。カーボン電極(鉄鋼リサイクルの溶鉱炉で使用)の原材料混合用のミキサー付近で出火し、ミキサーと製品運搬用のコンベアを焼損した。

1月17日「化学工場で爆発」中国
貴州省福泉市の溶剤工場で17日夜に爆発事故があり、従業員1人が行方不明となっているほか、2人が重軽傷を負った。爆発とともに火の手が上がり、周辺住民が避難している。
溶剤として使われる有機化合物「ジメチルスルホキシド(DMSO)」を主に製造しており、「チオエーテル(スルフィド)」が発生し、発火したとみられている。
福泉市では2011年に火薬を積載したトラックが爆発し、300人以上が死傷している。
(ひとこと)国内の化学工場でもかってDMSOを含む系での反応暴走事故が複数件発生した。事故の詳細については、失敗知識データベース(http://www.shippai.org/fkd/index.php)や「化学物質・プラント事故事例ハンドブック」(田村昌三編、丸善出版刊)などを参照されたい。

1月16日「石油化学プラントの爆発」中国
広東省珠海市の石油化学プラントで爆発事故が発生した。負傷者はいないが、このプラントは2015年にも大規模な火災を起こしている。また、行政が2019年に行った安全操業のための立ち入り検査で、15の問題点が指摘されていた。

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