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最新!化学事故情報

2020年1月前半の化学事故

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。
過去の事故の教訓について、センター研究員の経験からの(ひとこと)も紹介する。

1月14日「化学工場で大爆発」スペイン
スペインのカタルーニャ州にある石油化学工場の酸化エチレン製造プラントで爆発が発生し、付近の建物が倒壊して1名が死亡、重度のやけどで2名が死亡、6名が軽傷を負った。有害物質が発生する恐れがあり、近郊の住民約80万名に窓を閉めの自宅待機が呼びかけられた。
(ひとこと)酸化エチレンは石油化学工業の主要な原料として、また滅菌剤などとしても広く利用されている。化学産業において重要な物質であると同時に強い毒性を持ち、条件によっては爆発的反応を起こす危険性がある。過去に多くの爆発事故が発生している。

1月13日「天然ガスパイプラインで爆発」マレーシア
マレーシアのサバ州とサワラク州間に敷設された天然ガスパイプラインで爆発、火災が発生した。何かの原因でパイプラインが破裂し、漏洩したガスに着火したとみられる。
同国では2014年にも埋設天然ガスパイプラインでの爆発火災が発生している。

1月13日「化学工場での爆発、火災」米国
米国ルイジアナ州にある低密度ポリエチレン(LDPE)製造設備の、立ち上げ中の新規プラントで爆発火災が発生した。火災は比較的短時間で消火され、他の設備や従業員の被害はなかった。現時点で、原因は不明。

1月10日「リサイクル作業場での火災」静岡県
静岡県富士吉田市の貴金属リサイクル施設の集塵機から火災が発生し、約4時間後に消し止められた。回収した金属から取り除いたゴミを集塵機に入れたところ、出火したという。

1月9日「スクラップ置き場で火災」千葉県
市原市のリサイクル会社の敷地内(保税輸出専用ヤード)堆積されたスクラップが燃え、鉄くずなど約2万立方メートルを焼失した。

1月9日「清掃工場で火災」青森県
青森県青森市の市清掃工場の稼働中の破砕選別処理施設で火災が発生し、約2時間半後に鎮火した。同施設は2018年4月にも、スプレー缶の残ガスによるとみられる爆発火災があり、昨年12月に再開したばかりであった。

1月7日「火災による有害物漏洩」新潟県
新潟県燕市の金属表面処理の作業所兼倉庫から火災が発生し、1棟約590平方メートルを全焼し、隣接する3社工場の壁の一部を焼いた。火災の後の県の調査で工場近くの水路から「六価クロム」が検出された。なお、下流への流失はなく、健康被害も報告されいていない。

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