2019年12月後半の化学事故
RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。
12月28日「産業廃棄物置き場で火災」千葉
千葉県市原市にある廃材置き場で火災が発生した。火の勢いが強く黒煙が上がった。廃材置き場はリサイクル業者が管理しており、プラスチック片や冷蔵庫、ゴムチューブなどの廃棄物が燃えた。
12月24日「木工工場で火災」島根
島根県奥出雲町の木工品製造工場で火災が発生し、木造平屋建て工場約450平方メートルを焼損し、約3時間後に鎮火した。けが人はいなかった。出火当時、工場は無人だった。
12月24日「製鉄所の研究施設で爆発」韓国
韓国の光陽にある製鉄所で爆発が起き、発電設備が倒壊して5人が負傷した。このうち1人は重症だという。爆発後に火災が発生し、21分後に鎮火した。火災は研究施設で発生したが、生産施設から距離があり、操業への影響はないとしている。
12月24日「廃プラスチック加工工場で火災」福岡
福岡県北九州市若松区のプラスチック加工工場の敷地内で出火、屋外の資材置き場にあった廃プラスチックが焼けた。火は約1時間半後に消し止められ、けが人や建物への延焼はなかった。資材置き場付近ではこの日午前、プラスチックを砕く機械のメンテナンスをしていて、作業員がバーナーなどを使っていたという。
12月24日「製油所で火災」神奈川
神奈川県川崎市の製油所で火災が発生した。アスファルトを加熱してガソリンと軽油を精製する「重質油熱分解装置」付近が燃え、約3時間半後に鎮火した。従業員が両手足に重いやけどを負い、病院に搬送されたが命に別条はないという。
12月22日「ゴミ処理施設で火災」福岡
福岡県福岡市の市ごみ処理施設で火災が発生し、約25時間後に2400平方メートルを焼いて鎮火した。けが人はいなかった。この施設では不燃ごみの粉砕や選別を行っているが、事故時は無人で、火元は「貯留ピット」とみられる。
風下になった地域では煙が立ち込め、町教育委員会は小学校などに屋外での活動を控えるよう通知し、役場には「煙で喉が痛い」などの連絡が6件寄せられたという。
12月17日「プラスチック工場で火災」石川
石川県加賀市のプラスチック製作所で火災が発生し、約40分後に鎮火した。けが人はいなかった。
12月17日「金属製品加工工場で火災」富山
富山県富山市の熱処理工場から出火した。焼き戻し炉を焼き、約2時間後に鎮火した。出火当時、工場内には従業員2人が働いており、爆発音がしたあと火災となった。
12月16日「化学工場で火災」中国
広東省広州市の自動車メンテナンス用品や家庭用塗料などを製造する工場で火災が発生した。炎が高く上がり、たびたび爆発音がした。工場の建屋は、支柱だけを残して全焼したという。また、作業員4人が煙を吸って病院に搬送された。
同工場は2017年に、労災防止関連の規則に違反し、地域の安全生産監督局から罰金支払いと改善命令を受けている。
12月16日「玩具製造会社の火災」大阪
大阪府大阪市のフィギュア製造会社で火災が発生し、鉄筋4階建ての一部が燃えて4人が緊急搬送された。4階でフィギュア塗装用エアブラシの清掃作業中に、何かの原因でシンナーを含有する塗料に着火した可能性が指摘されている。
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