2019年11月前半の化学事故・・・中国の工場、国内では廃棄物関連の事故が相次ぐ
RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。
11月3日「ゴム製品製造会社で火災」埼玉
埼玉県三郷市のゴム製品製造会社から出火し、鉄骨2階建て工場を全焼した。一人で作業していた従業員がやけどを負い救急搬送された。この火事により、隣接する別の会社の工場が全焼し、住宅兼店舗1棟も部分焼した。
11月6日「紡績工場で火災」愛知
愛知県岡崎市の紡績工場で火災が発生した。機械が過熱して火災となった可能性がある。工場では主に軍手を製造し、5人が作業中だったが全員避難して無事だった。
11月8日「製紙工場で火災」静岡
静岡県富士市の製紙会社で火災が発生し、工場1棟を全焼した。出火当時、工場は操業中で従業員十数人がいたがケガはなかった。工場の中にはガスボンベなどがあり爆発や延焼の恐れがあることから、住民約50人が避難した。
11月8、9日「広東と上海で工場と倉庫火災」中国
広東省東莞市の照明器具工場で8日に爆発・火災が発生した。約1時間後に鎮火したが、1人が死亡、15人が負傷した。
上海市の物流会社の倉庫で9日に火災が発生した。約500平米を焼損して、約1時間半後に鎮火したが、作業員3人が死亡、1人が負傷した。
中国では工場の火災が相次いでいる。福建省南安市では10月衛生陶器メーカーの工場で火事があり、従業員4人が死亡して3人が負傷した。江蘇省淮安市でも10月にプラスチック工場で火災が起き従業員6人が死亡した。
11月10日「資源リサイクル工場で火災」鳥取
鳥取県鳥取市のプラスチック再商品化工場で火災が発生し、鉄筋平屋建ての工場約2500平方メートルを焼き、約4時間後に鎮火した。工場内では、プラスチックゴミから異物を取り除く作業が行われていた。
11月13日「不燃ゴミ処理施設で火災」愛知
愛知県一宮市のゴミ処理施設で火災が発生し、約5時間後に消し止められた。
火災は破砕したゴミを搬送するベルトコンベヤー付近で発生した。出火当時、建物内で作業していた職員21人は全員避難したが、1人が煙を吸い込み、体調不良を訴えて病院に搬送された。命別条はなく軽傷。市はリチウムイオン電池が発火源となった可能性を指摘し、市民に対してリチウム電池の分別への啓もうを行った。
11月13日「不燃ゴミ処理施設で火災」山形
山形県高畠町の不燃ゴミ置き場で火災が発生した。出火当時は不燃ゴミ約40トンがたまっており、新たに運び込まれたゴミの中の、ライターやスプレー缶が火災の原因となった可能性が高いとみている。
11月13日「ゴミ焼却施設で火災」沖縄
沖縄県南風原町のゴミ処理施設で焼却灰を溶融炉で加熱し、金属を回収資源化する設備で火災が発生し、プラスチック製のパレットとダクト操作盤などを焼損した。冷却が不十分な金属が飛散し、可燃物を置いてはいけないヤードに置かれていたパレットに着火した。
11月14日「ゴミ収集車火災」福岡
福岡県田川市で不燃ゴミを回収中のゴミ収集車の荷台から火災が発生した。車載の消火器では消えず火災が拡大したため、路上でゴミを下ろし、消防車が消し止めた。燃えたゴミの中から破裂した携帯ガス缶が見つかった。同市内では類似の火災が年に数回起きている。
11月14日「穀物サイロ爆発」香川
香川県坂出市の食用製造工場で爆発が起き、従業員3人が負傷した。サイロは高さ約24メートル、直径約7.5メートルの円柱形。食粉を搬送するバケットエレベーターの老朽化に伴う補強のための溶接作業中に、バケットエレベーターで粉塵爆発が起き、バケットエレベーターに隣接したサイロ内で二次的な粉塵爆発が生じて、被害が拡大したものとみられる。
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