2019年10月後半の化学事故・・・大雨による化学品の流出、中国での化学工場事故
RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。
10月17日「化学工場爆発、死者4人」中国
広西チワン族自治区南部の玉林市の広西蘭科新材料科技有限公司で、午前11時15分ごろに工場が爆発して4人が死亡し、7人(3人は重傷)が負傷し、従業員は避難した。
ホルムアルデヒドとフェノールを原料に樹脂を重合していた。樹脂を混ぜて接着剤を製造する試験作業中、反応釜で爆発が起きたという。
同社は登録資本9200万円で2010年に発足した。合成樹脂、固化材、バイオ素材、水処理・リサイクルなどを手がけている。今年9月には、「優良な民営企業」として陸川県政府から表彰されたばかりであった。
10月18日「台風で金属表面処理工場からシアン化ナトリウムが流出」福島県
台風19号による浸水で、福島県郡山市のメッキ工場の20キロのシアン化ナトリウムを保管できるペール缶と容量15立方メートルの金属表面処理設備からシアン化合物が流出した。市環境保全センターの職員が工場建屋基礎コンクリートの複数箇所から、シアン含有水が染み出ているのを発見し、19日午前1時に原因者による回収作業が終了した。
10月19日「樹脂リサイクル工場で火災」大分県
大分県豊後高田市のプラスチックリサイクル会社大分工場のプラスチック素材置き場から出火。黒煙が立ち上り、辺りは騒然となった。約5時間後に鎮火したが、プラスチック置き場に隣接する鉄筋スレートぶき倉庫約720平方メートルが全焼。プラ素材約150トンと、倉庫に保管されていた再生原料のペレット約250トンも消失した。
10月26日「亜鉛精錬工場のタンクから硫酸が漏洩」福島県
福島県いわき市小名浜の製錬所で、容量約3,000tのタンクに入った硫酸約1,900tのうち硫酸934トンが工場敷地内に流出したが、すぐに検知して対応したことにより敷地外への流出はなかった。
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