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最新!化学事故情報

12 月の化学火災(リチウムイオン電池の火災事故)

災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

12月29日「アルミニウムリサイクル工場で粉塵爆発」三重県
三重県亀山市のアルミニウムリサイクル工場の溶解工場で、前日の28日に続いて火災が起きた。通常、同工場ではアルミニウムを熔解して塊にする作業をしているが、当日は年末年始の休業で、ベルトコンベアの入替や清掃などの保守管理作業が行われていた。工場内に堆積していたアルミニウム粉塵に着火した可能性。

12月29日「高速道路の防音トンネル内で火災 5人死亡」韓国
高速道路の防音トンネル内を走行中の廃棄物回収トラックとバスの事故で火災となり、トンネル内のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂の防音壁が延焼し、トンネル全長約840mのうち約600mが燃え、トンネル内を走行中の車両45台が焼けた。5名が死亡し、37名が負傷した。
ひとこと:PMMAは酸素指数(燃焼が継続する最低の酸素濃度)が17〜18と燃えやすいプラスチックである。燃焼の可能性のある場所では難燃化された製品も使用されている。

12月29日「製紙工場で火災」静岡県
静岡県富士市の製紙工場で火災が発生した。LEDの交換作業中であった。
ひとこと:本火災のLED交換作業との関係は不明だが、消費者庁ではLED ランプを本来使用してはならない従来の照明器具に取り付けて、発煙するなどの事故情報があるとして注意喚起を行っている。

12月28日「アルミニウムリサイクル工場で火災」三重県
三重県亀山市のアルミニウムリサイクル工場で火災が発生した。工場は年末年始の休業で、保守管理作業が行われており、バーナの火がアルミニウム粉塵に着火した可能性。

12月27日「液体石鹸工場で火災」東京都
東京都墨田区の液体石鹸工場の火災で、工場や近隣の住宅など16棟約2500平方メートルが焼けた。液体石鹸の配合室で、作業員がヤシ油などを原料とする可燃性液体を一斗缶に移す際に何かの原因で出火した可能性。

12月24日「タンクローリからLPガスが漏洩して爆発」南アフリカ共和国
タンクローリの運転手が陸橋下の高さ制限を確認せずに通過したため、車高が高すぎて車両上部が陸橋に接触して挟まり、大量のLPガスが漏洩して着火した可能性。15名が死亡し、321名が負傷した。

12月23日「廃棄物処理施設でリチウムイオン電池による火災」兵庫県
兵庫県神戸市の一般廃棄物不燃ごみ破砕選別施設で、リチウムイオン電池が原因と思われる火災事故が発生した。

12月22日「電力会社研究所でリチウムイオン電池の充放電実験中に火災」兵庫県
兵庫県尼崎市の電力会社研究所で火災が発生した。マイクロバスに搭載したリチウムイオン電池の充放電試験を無人で行っており、何かの原因でリチウムイオン電池の充電器から出火した可能性。

12月14日「無人の金属加工工場での火災」静岡県
静岡県掛川市の金属加工工場で火災が発生し、鉄筋2階建ての工場が全焼した。金属加工に使用していた機械から出火した可能性。工場は稼働しておらず無人だった。

12月13日「製鋼工場で水蒸気爆発」山口県
山口県宇部市の製鋼工場で、工業用水配管で漏水があり、鋼材製造で発生した不純物を処理場に流し入れた際に水蒸気爆発が起きた。会社では配管の撤去を検討するほか、再発防止のため安全管理の徹底を行うとしている。
ひとこと:2017年には鉄鋼会社で水蒸気爆発による死亡災害がおき、経営者が労働安全衛生法(事業者の講ずべき措置等)の違反で書類送検されている。以下の文献も参照されたい「最近の金属工場における爆発事故について」中村順,安全工学誌,Vol.41.pp.43、

12月10日「金属素材加工工場で硫化水素が漏洩」山口県
山口県光市の金属素材工場で硫化水素を含むガスが漏洩した。ステンレス加工用の樹脂液の交換作業中に、追加した樹脂液と残留していた樹脂液が反応して硫化水素を含むガスが発生し、工場外に漏洩した。濃度が低く人体などへの影響はなかった。

12月8日「印刷工場で火災」東京都
東京都葛飾区の印刷工場でプリント作業中に火災が発生した。3階建屋の1階の工場、2階事務室を部分焼し、1人が負傷した。1階から出火してインクなどに延焼した可能性。

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