post_type:post/single.php

最新!化学事故情報

2025年7月の化学火災(リチウムイオン電池の火災がさらに増加)

災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、
産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

7月27日「化学工場の脱ガス塔の配管から塩素系ガスが漏洩」福岡県
福岡県大牟田市の化学工場でウレタン原料製造プラントの脱ガス塔の配管から塩素系ガスの漏洩が起きた。プラントを緊急停止し,漏洩の起きた配管に散水し漏洩を停めた。対応にあたった消防士や警察官を含むのべ156名が病院を受診し,うち消防士2名を含む計29名は救急搬送されたが,全員軽症であった。市は付近で開催されていた祭りを中止し,住民に屋内退避を呼びかけた。同工場では検知器の作動後にガスの漏洩を確認し,漏洩停止の対応を行ったが,警察や消防へは通報しておらず,住民らの通報で消防が同工場に出動し,漏洩が確認された。
報告書ではガスの配管に汚れが付着し、腐食割れが起きたことが原因とした上で、再発防止策として、配管の点検強化やガス漏れの警報システムを常に自動で作動するよう見直し、火災やガス漏れがあった場合はただちに外部通報するよう業務マニュアルを改訂、定期的に訓練するとしている。

7月25日「研究棟で火災」静岡県
静岡県浜松市の金属鍍金(めっき)工場兼研究棟から出火し、研究棟の壁の一部を焼いた。

7月24日「セメント製品製造工場で火災」埼玉県
埼玉県比企郡吉見町の押出成形セメント製造工場の原料混練工程の製造設備で火災が発生し、約100㎡を損傷した。

7月21日「廃棄物破砕施設での火災、リチウムイオン電池が発元の可能性」愛知県
愛知県名古屋市の廃棄物破砕施設の磁性選別機付近で火災が発生した。リチウムイオン電池が原因の可能性もある。

7月20日「化学工場での火災」中国
中国山東省淄博市の化学工場で火災が発生した。事故による人的被害はなく、二次災害もないとのこと。同工場ではシリコーンゴム、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、ヒュームドシリカ、有機ケイ 素中間体などを生産しており、クロロメチルシランモノマーの生産能力は年産60万トンとのこと。

7月14日「医薬原薬製造工場での火災、静電気の可能性」山形県
山形県上山市の原薬製造工場の機械室の集塵機周辺から火災が発生した。集塵機フィルタ表面に帯電した静電気が原薬粉体に着火した可能性が極めて高いとのことであった。

7月14日「西条の金属工場でコンテナバッグ焼く」愛媛県
愛媛県西条市の金属工場の倉庫内から出火、保管していたコンテナバッグ4袋を焼いた。バッグには硫酸銅と硫酸鉄の混合物が入っていた。
ひとこと:硫酸銅(無水物)は有害性であるが燃焼危険性はない。ただ、火災により火災時に刺激性もしくは有毒なヒュームやガスを放出する。。

7月14日「三元系リチウムイオン電池製造工場で爆発」台湾
台湾高雄のニッケル・マンガン・コバルトの化合物による三元系リチウムイオン電池を製造する工場で火災が発生し、従業員や消防士ら11人が負傷した。火元はバッテリー半製品の保管エリアで、初回充電作業中だった。この事故を受け、高雄市は工場の操業停止を命じた。

7月13日「廃棄物処理施設で火災、リチウムイオン電池の可能性」東京都
東京都町田市の一般廃棄物処理施設のごみピットで火災が発生した。自治体消防の調査ではリチウムイオン電池の可能性が高いものの、出火原因の特定ができないため原因不明との見解が示された。

7月12日「廃棄物処理施設の搬送コンベアでの火災」埼玉県
埼玉県戸田市の粗大ごみ処理施設地下1階、破砕物排出コンベヤ付近で火災が発生した。13日昼前に鎮火したが、施設全体の電気系統設備が大きく損傷し、焼却施設などが使用できなくなったことからセンターはごみの受け入れを中止した。
出火原因の確定はできないが、リチウムイオン電池の発火も否定できないとしている。焼損した建物被害、ごみの再委託、焼却炉の復旧などで40億円以上となる見込み。

7月9日「大学でアセチレンと酸素の混合ガスのボンベが爆発」埼玉県
埼玉県さいたま市の大学工学部で燃焼熱測定のために研究実験棟の屋外に置かれていたアセチレンと酸素の混合ガスのボンベの調整中に爆発が起き、近傍の校舎のガラスが割れた。ボンベの調整をしていた教員1名が頭部や腕を負傷して病院に搬送された。また,他に学生1名が爆風を受けて体調不良となった。大学教員が研究実験棟脇の屋外ボンベ置場に置かれていた長さ約60cm,直径約25cmのアセチレンと酸素の混合ガスのボンベを調整中に何かの原因で爆発した。
ひとこと:アセチレンと酸素の混合ガスをボンベ保管することは常識では考えられず、大阪府高圧ガス安全協会はこの事故の詳細は不明としながらも、注意喚起を行っているので、参照していただきたい。(jiko_jouhou_20250710.pdf

7月5日「ファン付き作業着の充電中に発火」東京都 
東京都国立市の自動車販売会社の整備施設で、整備士が着用するファン付き作業着の充電中に発火した。当時は閉店後で無人であった。類似の事故は夏場に増えているとのこと。
製造現場では暑熱対策として、ファン付き作業衣の利用が増加しており、充電には注意が必要である。

7月2日「核燃料製造施設で廃棄物の乾燥中に火災」神奈川県
神奈川県横須賀市の核燃料製造施設の廃棄物処理室で廃棄汚泥の乾燥中に乾燥機内で火災が起きた。従業員が乾燥機から煙の臭いを確認し,消防に通報した。初期消火により約4時間後に鎮火した。放射性物質の漏洩はなかった。微量のウランを含む汚泥の廃棄物約40kgを乾燥中に、廃棄物に含まれていた油分(不飽和油脂等)が蓄熱して発火した可能性がある。1982年から廃棄物を保管していたドラム缶の老朽化に伴う詰替作業中であった。

保安力向上センター