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最新!化学事故情報

2025年6月の化学火災(医薬原料の粉じん爆発で40人以上が死亡)

災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、
産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

6月30日「医薬品工場で粉じん爆発,火災、40人以上が死亡」インド
インド・テランガナ州サンガレディの医薬品製造工場の噴霧乾燥機で爆発,火災が起きた。工場の建物が倒壊した。事故時には従業員約150名が工場内にいた。倒壊した建物の下敷きになったり,火災に巻込まれたりして,従業員40名が死亡,33名が負傷した。工場では医薬品などの原料となる微結晶セルロースを製造しており,噴霧乾燥機の操作中に圧力上昇があり,粉じん爆発が起きた可能性がある。

6月30日「廃品の溶断中に爆発」広島県
船舶部品工場内でガス溶断機で廃品の切断作業中に爆発が起きた。作業中の従業員が爆風で数10m吹き飛ばされて死亡した。長さ約9mの廃品の桟橋をガス溶断機で切断していたところ爆発した。

6月26日「高温作業で2人死亡、管理者を書類送検」愛媛県
愛媛県松山市の汚染土壌焼却施設で2024年12月に発生した従業員2人の死亡事故に対して、松山労働基準監督署は、安全対策を講じていなかったとして、施設を運営する廃棄物処理会社と現場の監督者を労働安全衛生法違反容疑で地検に書類送検した。
従業員2人に、熱を防ぐための服や面を装着させず、高温の土を扱わせた疑い。2人は、汚染された土壌を焼成炉で加熱し、無害化する作業にあたっていた。炉内に詰まった土を取り除いた際、大量の土が排出口からあふれ、放射熱で全身にやけどを負い後日死亡した。

6月19日「環境製品製造工場でアンモニア臭のするガスが漏洩」京都府
京都府長岡京市の排気ガス除害装置などの製造工場でアンモニア臭のするガスが漏洩し、従業員5名が体調不良や目の痛みで病院に搬送されたが,いずれも軽症であった。作業中にクレーン先端のフックがガス管のバルブに接触し,バルブが緩んでガスが漏洩した。

6月17日「水力発電所で開閉器から火災」鳥取県
鳥取県日野郡江府町の水力発電所で点検中に爆発音と共に開閉器から火災が起きた。約4時間後に消火されたが、発電機の一部が破損した。構内にいた関係会社の作業員2人が避難の際に転倒し,軽いけがをした。発電所の地下にある4基の発電機の電気系統を制御する開閉器の不具合から出火した可能性。発電所を管理する電力会社は原因について以下のように説明している。
・揚水式発電所では、揚水停止時に、アーク放電を制御するためのスイッチ内部の部品(以下「アークコンタクト」)にかかる負担が他の発電方式よりも大きくなる傾向がある。
・本スイッチは、当社において上記傾向も含め、俣野川発電所の使用条件を踏まえて発注を行ったものであり、あらかじめ設定したアークコンタクト交換の目安となる動作回数の中で、適切に保守・管理していた。
・事象発生時点で、アークコンタクト交換の目安となる動作回数には達していなかったが、その耐久性が俣野川発電所の使用条件に適しておらず、想定より早く消耗していた。
・その結果、本来発生しない箇所でアーク放電が生じたことにより、これを不燃性ガスによって消滅させることができず、同ガスを封入したタンクが高温となり内圧が高まったことで破裂に至った。

6月16日「大雨の影響により花火工場で爆発、9人が死亡」中国
中国湖南省常徳市の煙火製造工場で爆発が起きた。従業員9名が死亡,26名が負傷した。また、爆風で周辺住宅の窓が割れるなどした。大雨により雨水が倉庫に流入し,保管されていた煙火原料の薬品(禁水性物質)と反応して発熱し,爆発した可能性。同工場は消火設備の不備などで過去に繰り返し行政処分を受けていた。

6月12日「大学の研究室でフェノール精製実験中に爆発,火災」北海道
北海道札幌市の大学の工学部の研究室で実験中に爆発,火災が起きた。約30分後に鎮火したが,同室の壁の一部が焼けた。教員が頬の切創や薬品被曝で10箇所を負傷して病院に搬送されたが軽傷であった。同助教と大学院生が2名でフェノールを精製する実験中に爆発が起きた。

6月8日「化学工場での火災」福島県
福島県いわき市の化学工場の可燃性ガスを用いた触媒生産設備より出火し、1名が負傷した。設備内部を窒素ガスにて置換することで 鎮火した。
原因はバルブから可燃性ガスが漏れて出火したもので、バルブの強化による可燃性ガスの漏洩防止並びに、設備の一部を不活性ガス雰囲気に変更した。

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