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最新!化学事故情報

7 月の化学火災(木粉チップによる火災が2件発生)

災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

7月31日「バイオマス発電所で火災」岩手県
岩手県野田村のバイオマス発電所の木材を木粉に加工する破砕機のエンジン部分から出火し、ベルトコンベア付近から火炎が上がった。
1時間20分後にほぼ鎮圧した。この発電施設は出力14,000kwで、2016年に運用を開始している。
使われている燃料は未利用材、剪定枝などのチップ、PKS: Palm Kernel Shell(アブラヤシの実からパーム油を搾り取った後の殻を乾燥させた発電用のバイオマス燃料)である。

7月31日「リサイクル工場での溶接作業で火災」神奈川県
神奈川県相模原市の金属リサイクル工場の資材置場で火災が発生した。修理中の溶接による火花が付近の可燃性廃材などに着火した。

7月29日 「花火倉庫爆発で死者12人」タイ
タイのナラティワート県スガイコーロクで大量の花火を保管していた倉庫が爆発を起こし、倉庫の従業員、周辺住民など12人が死亡し、
200人以上が負傷した。
半径500メートルの住宅420棟などが損壊した。
施設内で溶接工事が行なわれており、その火花が花火に引火した可能性が高い。保健当局によると現場から半径500メートルで基準値を超える有毒物質が検出され、土中からは硝酸カリウム、バリウムなどが検出され、爆発を誘発する可能性も指摘された。

7月28日「マグネシウムを扱う工場で火災 放水消火できず」愛知県
愛知県西尾市の工場兼倉庫での火災。工場には繊維強化プラスチック(FRP)のほかマグネシウムが保管されており、放水での消火ができず、消火活動が難航し、3階建ての建屋を全焼した。

7月28日「化学工場の研究施設で実験中に爆発」愛媛県
愛媛県新居浜市の化学工場の、研究室で爆発があった。アクリル製のボックス内で化学物質を使用した実験中に爆発が起き、実験をしていた協力会社の従業員1名が負傷した。

7月25日「大学の研究施設の部屋で火災」愛知県
愛知県名古屋市の大学の研究室オフィスエリアでの火災。研究室は無人でノートパソコンの周辺にあった紙類に何かの原因で着火した可能性。警備員1名が煙を吸って軽傷となったが、実験設備や化学薬品等への被害はなかった。

7月24日「製油所で貨物船に積込中の硫黄が噴出」千葉県
千葉県市原市の製油所で、作業員がホースを使用して貨物船に硫黄の積込作業をしていた際に硫黄が噴出。作業員1名が硫黄を浴びて顔や背中にやけどで重傷を負った。海上への流出はなかった。

7月20日「中学校の実験でアンモニア水が飛散して被曝」宮城県
宮城県仙台市の中学校で、理科の実験中に加熱中のアンモニア水が飛散し、生徒と教諭が被曝した。学習指導要領では保護めがねを着用することになっていたが、生徒も教諭も着用していなかった。アンモニア水が目に入った生徒1名と教諭1名が病院に搬送されたが異常はなかった。アンモニア水が腕にかかった生徒2名のうち1名が腕のしびれを訴え、もう1名はアンモニア臭で体調不良となった。

7月16日「火力発電所でダクト配管の赤熱」福島県
福島県いわき市の火力発電所で、重油バーナの不具合で発電用ボイラの熱がダクトに伝わってダクト配管が赤熱された。赤熱は20分後にはおさまり、ケガ人はいなかった。
同発電所では6月30日にもトラブルで操業を停止していた。

7月14日「ロケット実験施設でエンジンの燃焼試験中に爆発、火災」秋田県
秋田県能代市の宇宙航空関連研究機関のロケット実験施設の真空燃焼試験棟で、固体燃料ロケット用のエンジンの地上燃焼試験中に爆発が起きた。エンジンを覆う圧力容器や燃料に何かの不具合があった可能性。

7月12日「化学工場で電気集塵機のダクトの火災」愛媛県
愛媛県新居浜市の化学工場の湿式電気集塵機のダクトで火災が起き、およそ1時間後に消し止められ、電気集塵機と付帯設備が焼損した。電気集塵機は排気ガスの処理に使用されていた。

7月9日「製油所の仮設ホースから硫酸が漏洩」宮城県
宮城県仙台市の製油所で、タンクに貯蔵されていた硫酸約20Lが仮設のフレキシブルホースから漏洩した。防油堤外への流出はなかった。

7月8日「化学工場の無人プラントで塩素ガスが漏洩」愛媛県
愛媛県新居浜市の化学工場で、エポキシ樹脂などの原料となるエピクロロヒドリン製造プラントで塩素ガスが漏洩した。漏洩は約6時間半後に収束した。工場は無人運転中で、様子を見に行った関係会社社員が体調不良となったが、検診の結果異常はなかった。

7月7日「原子力発電所でボイラーの点検作業中に蒸気が噴出」茨城県
茨城県東海村の原子力発電所のリボイラー室で、ボイラーの弁の交換のために緩めていた配管継手部分から蒸気が噴出した。蒸気を浴びた作業員が両足のふくらはぎなどにやけどを負って病院に搬送され、約1週間入院した。

7月7日「木材チップの搬送、貯蔵ラインでの火災」秋田県
秋田県秋田市の製紙工場で、チップ搬送用コンベアと、それに接続するチップ貯蔵サイロで火災が発生し黒煙が上がった。消火に時間を要し鎮火は7月18日であった。

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