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最新!化学事故情報

5 月の化学火災(木材チップによる火災、爆発が多発)

災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

5月31日「鉄工所で溶接中にアセチレンガスが漏洩し爆発」新潟県
新潟県魚沼市の鉄工所で爆発が起き、平屋建ての建物が一部焼損した。アセチレン溶接作業中に何かの原因で漏れたアセチレンガスに着火した可能性。

5月29日「塗装会社で塗装用ローラーを洗浄中に火災」兵庫県
兵庫県神戸市の塗装会社の倉庫で、塗装用ローラーをシンナーで洗浄中に火災となった。従業員1名が気道熱傷の重傷で病院に搬送された

5月26日「中学校で硫化水素を発生させる実験で体調不良」愛知県
愛知県名古屋市の中学校で、硫化水素を発生させ、臭いをかぐ実験中に生徒10人が体調不良を訴えて、緊急搬送された。

5月26日「水産会社で塗装作業中に有機溶剤中毒」愛媛県
愛媛県宇和島市の水産加工会社の水槽内部を塗装中に、作業中の2名が倒れ、救助に入った1名を含めて3人が病院に搬送された。従業員1名が一時意識不明の重体となったが、のちに意識が回復した。別の従業員2名も体調不良となった。水槽内の一斗缶からシンナーが気化した可能性。

5月25日「機械工場で火災」石川県
石川県加賀市の機械工場で火災が発生した。従業員600人は避難して無事だった。加工装置のワークを固定させる吸引ブロワーのホースに引火したもの。
 注釈:ワークは直訳だと”仕事”だが、機械・加工系においては加工物や部品を指す。

5月22日「製材工場の製材工場で木質チップの火災」秋田県
秋田県秋田市の製材工場での火災。倉庫内に保管されていた約30立メートルの木材チップやおがくずがくすぶり、鎮火に約21時間を要した。倉庫は無人であったが、木を切断する機械が稼働していた。

5月21日「造船所で機械が破裂」長崎県
長崎県長崎市の造船所で試験中に機械が破裂し、従業員1名が軽傷。工場の壁の一部が焼けた。

5月20日「バイオマス発電所で再火災」鳥取県
鳥取県米子市のバイオマス発電所で5月17日に続いて火災が発生した。17日の火災後貯留槽のスプリンクラーを作動させて監視していたが、取り出し口付近のペレットが一部崩れ、残っていた火種周辺が燃焼したとみられる。

5月17日「バイオマス発電所で木材チップの火災」鳥取県
鳥取県米子市のバイオマス発電所の木質チップ貯留槽下部のペレット取り出し口付近で火災が発生し、木材チップやパーム椰子殻などを貯留する、高さ30メートル、直径23メートルのコンクリート製タンク4基のうちの1基が火災となった。燃料の木材チップが自然発火した可能性。同発電所は三菱HCキャピタル株式会社、中部電力株式会社、東急不動産株式会社、シンエネルギー開発株式会社、および三光株式会社の5社が出資した、山陰地方で最大規模の発電所で、去年から稼働していた。

5月15日「木材加工工場で火災」静岡県
静岡県小山町の、木材のチップを加熱圧縮しパーティクルボードを製造する工場での火災。ボイラーの配管から油が漏洩して配線にかかり、短絡が起きて出火した可能性。

5月13日「木工工場で粉じん爆発 1人死亡」福井県
福井県敦賀市の木材チップを圧縮して住宅建材(パーティクルボード)を製造する工場で粉じん爆発と火災が発生した。工場延べ約9000平方メートルのうち、約6000平方メートルが焼損。清掃作業をしていた従業員1名が死亡、火傷で1名が重傷、2名が軽傷を負った。

5月10日「化学工場で薬品の混合作業中に火災」大阪府
大阪府堺市の医薬品製造工場で火災が発生し、1名が軽い火傷を負った。ヘキサンと酢酸エチルの混合作業中に揮発した可燃性蒸気に着火した可能性。
ひとこと:ヘキサン(ノルマルヘキサン)や酢酸エチルは工業用に汎用されており、燃焼下限界が低いことから、蒸気への着火火災は少なくない。事例については以下の文献やインターネットサイトで知ることができる。
「化学事故・化学プラント 事故事例ハンドブック」田村昌三編集代表、丸善(2006)

5月7日「自動車部品工場で火災」静岡県
静岡県湖西市の自動車部品メーカーの工場内作業台から出火し、約5平方メートルを焼いた。けが人はなかった。出火当時、工場は無人だった。火災報知機が反応し、確認のため工場を訪れた警備会社の社員が煙に気付いて通報した。

5月1日「化学工場で過酸化水素タンクが爆発 5人死亡」中国
中国山東省の化学工場で爆発火災が起き、9人が死亡し1人が行方不明になっている。国の応急管理部は、タンクから過酸化水素を抽出する作業中にタンクに過度な圧力がかかって損傷し、爆発したものと見られると発表した。事故を起こした工場は2019年に設立されたものである。

5月1日「小学校で理科の実験後に児童が体調不良」新潟県
新潟県新発田市の小学校で、理科の実験中に児童5人の具合が悪くなり、救急搬送された。灯油を燃やして二酸化炭素を発生させる実験後に児童の体調不良がおきた。一酸化炭素中毒の可能性。

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