9月の化学火災(中国の化学工場と高炉での災害)
災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、アジア地区の重大事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。
9月24日「突然の停電で高炉の送風機が停止し一酸化炭素漏洩 23人が中毒」中国
中国遼寧省遼陽市の鉄工所で突然の停電が起きて電動送風機が停止し、高炉のガスが漏れて23人が一酸化ガス中毒となった。政府による電力制限の影響と言われている。
9月8日「製油所で小火災」千葉県
千葉県千葉市のパラキシレン装置で小火災が発生し、40分ほどで鎮火した。
9月7日「産業廃棄物処理場で爆発」大分県
大分県大分市の産業廃棄物処理施設で火災が発生し、その後爆発音が生じ火炎が噴出した。
9月7日「リサイクル工場でリチウム電池から火災」北海道
北海道石狩市の廃リチウム電池の集積場所から出火し、敷地内の廃材などが焼けた。
9月4日「プロピレン製造プラントでガス漏洩による火災」韓国
韓国蔚山の化学工場内の高さ約35mのプロピレン製造プラントで、ガス漏洩による火災が発生した。消防当局は化学工場の特性を考慮して、製造工程を停止させて工程内部の残留ガスを抜いた後、消火作業を行ったことから鎮火に10時間を要した。プロパン脱水素ユニットの内部配管で発火が起き、漏洩したガスに着火した可能性が指摘された。
9月3日「火力発電所でタンクから塩酸が漏洩」愛知
愛知県名古屋市の火力発電所で塩酸が漏洩した。工業用水を濾過するための樹脂製フィルタ洗浄用の塩酸(濃度35%)約200リットルが屋外のタンクから漏洩した。発電所敷地外への流出はなかった。自治体消防が漏洩した塩酸の希釈などを行った。
9月3日「スポンジ工場の大規模火災 で6人死亡」 中国
中国浙江省にあるスポンジの製造工場で大規模な火災があり、6人が死亡した。当局は市内の工場に対する一斉点検により、安全や環境保全のレベルが低い開発区や工業団地をリスト化し、点検するよう指示した。
8月20日にはタイ国サムットプラカーン県にあるスポンジ工場でも大規模な火災が発生している。
9月3日「薬品製造中の発火」福井県
福井県福井市の化学工場で、薬品を混合した釜から発火。従業員2人が顔などに重いやけどを負った。2人は薬品製造の作業中だった。
保安力向上センター