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最新!化学事故情報

2020年12月後半の化学火災(二硫化炭素は危険です)

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。安全専門家によるひとこと情報も掲載。

12月27日「二硫化炭素を使った実験で爆発、火災」京都府
京都府宇治市の大学実験室で爆発、火災が発生した。ドラフトチャンバ内の実験装置が焼けたが、ドラフトチャンバ外や建物への延焼はなかった。研究員が単独で、3リットルのガラスフラスコを用いて酸素雰囲気下で、1.5リットルの二硫化炭素を溶媒として合成実験をしており、サンプリングの際に体に帯電した静電気が酸素導入用のステンレス針と溶媒の間で放電して着火した可能性。研究員が顔や手を火傷した。
ひとこと:二硫化炭素は消防法4類危険物の特殊引火物に分類され、引火点だけでなく発火点も極めて低く、酸素中での加熱操作は火災や爆発のリスクが高い。

12月22日「廃プラスチックリサイクル工場で火災」三重県
三重県亀山市の廃プラスチックを破砕して薬品と混合して、発泡スチロールペレットを製造する工場で火災が発生した。工場と倉庫計3棟が全焼。従業員1名が全身やけどで重傷、1名が顔にやけどで軽傷を負った。

12月21日「自動車工場開発都内の車両から出火」愛知県
愛知県豊田市の自動車工場の建物から火災が発生した。生産技術開発棟内の車両から出火したが、生産への影響はないという。

12月20日「合板工場の乾燥機からの火災」京都府
京都府舞鶴市平の合板工場で工場内の乾燥機から出火し、天井まで延焼した。鉄骨平屋建ての工場の屋根部分約500平方メートルを焼損し、約2時間後に鎮火した。けが人はなかったが、同工場では9月にも火災が発生していた。

12月18日「プラスチック加工工場で火災」岐阜県
岐阜県美濃市のプラスチック加工工場から出火、鉄骨平屋約600平方メートルを焼き、約2時間後に消火した。けが人はいなかった。
工場はプラスチック原材料のペレットなどを製造している。出火当時は無人だったが、一部の機械が稼働していた。

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