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最新!化学事故情報

2020年5月前半の化学火災

災害情報センター(ADIC)のデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(https://sanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、産業分野の火災や爆発の事例を紹介する。なお、海外での重大事故や国内で類似火災の可能性がある例なども掲載する。

5月13日「産業廃棄物リサイクル工場で火災」鹿児島県
鹿児島県鹿児島市の木質建設廃材から木材チップを製造する工場で火災が発生し。工場約360平方メートルが全焼した。

5月10日「製菓工場での火災」新潟県
新潟県新潟市の製菓工場の乾燥機上部の配管付近から出火し、乾燥機の一部を焼いた。当時、配管修理が行われており、作業中の溶接作業員が出火に気付いて従業員に知らせた。けが人はなかった。
同工場では2019年7月にも火災が発生、11月には村上市の工場で機械を焼くなど火災が相次いでいた。
ひとこと:食品工場では油脂などの油類を使用する工程が多く、ダクト火災のリスクなどが指摘されている。

5月7日「化学工場で有毒ガス漏洩」インド
インドAndhra Pradesh州Visakhapatnam市の化学工場から有毒ガスが漏洩し、半径3㎞にまで拡散した。13人が死亡し、800人を超える市民が病院に搬送された。
漏洩したのはスチレンで、工場は3月24日から新型コロナウイルスによる全土ロックダウンに伴って閉鎖されていたが、ロックダウンが解除され、操業再開のために準備中だった。ロックダウン後放置されていたタンク内で異常反応が生じて温度が上昇し、スチレンが気化して漏洩したのではないかとみられている。一方、韓国の親会社はロックダウン後工場の操業を停止していたが、保守点検作業員は常駐していたと主張している。
この漏洩に関しては過失致死容疑で捜査が開始された。また同国で環境関連事件を管轄する裁判所は、仮処分として罰金620万ドル(約6億6000万円)の支払いを命じている。

5月7日 「清掃工場で火災」青森県
青森県青森市の市清掃工場可燃ごみ処理工場の可燃ごみ処理施設から出火したが、中央制御室から放水し、約1分後に鎮火した。
破砕選別処理施設の鉄くず貯留ヤードでも煙を感知したが、公設消防が対応し火災とはならなかった。ごみや分別後の鉄くずが出火元とみられる。
同工場では今年1月にも火災が発生し、破砕選別処理施設は停止して4月下旬に再開したばかりだった。

5月2日「工作機械工場で火災」徳島県
徳島県北島町の化工機メーカーの工場から出火し。木製の棚や書類を焼損した。出火場所は食品製造機器の部品を作る工作機械付近。

5月1日「化学工場で火災」茨木県
茨木県神栖市の化学会社の現在は使われていない成形室から出火し、天井などを焼いた。工場は稼働中だったがけが人はいなかった。成形室では以前発泡スチロールを加工していた。

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