post_type:post/single.php

トピックス

保安力向上センター、中小向け評価サービス試用版

関係各位

保安力向上センターからのお知らせです。保安力向上センターの保安力評価(フルバージョン)は、2013年の発足以降、大手の石油化学、化学、石油精製、製鉄会社など会員会社で200件以上実施されてきました。
2021年からは簡易版にあたるエッセンシャル評価も開始しました。
今回、化学工業日報社記事記載(2025年8月1日付け2面掲載)のエッセンシャル評価トライアル版は保安力向上センター会員以外も受審可能です。
このエッセンシャル評価トライアル版へのお問い合わせは、保安力向上センター事務局(電話 03-6661-7218, FAX 03-6661-7219)までご連絡お願い致します。
FAXの際は、会社名、ご担当者、電話番号、メールアドレスを記載いただくとより確実なご対応が可能となります。宜しくお願い致します。
なお、今回の化学工業日報社記事記載は、最長、2026年8月4日までとなります。


産業安全の第三者評価機関である保安力向上センター(JSCC、松尾英喜会長)は今夏、保安力を評価する新たなサービス「エッセンシャル評価」の普及を目指し、トライアル版の提供を開始する。近年、高圧ガスの使用において死亡事故は減少傾向にあるが、全国で10万社超存在する高圧ガスを取り扱う中堅中小事業所の安全確保は重要な課題だ。これらの中堅中小事業所を対象に、まずは評価に要する価格負担を少なくしたトライアル版を受審してもらい、現場の保安力レベルの底上げを図りたい意向だ。

<大手で運用実績>

JSCCが展開する「保安力評価(フルバージョン)」は、工場や化学品の貯蔵や輸送現場が適切に運営されているかチェックし改善点を提示することで、現場での事故やトラブルを未然に防ぐためのサービス。運転部門や保全部門、安全部門の課長クラスに対して事前アンケートを行ったうえで、「安全基盤」の93項目、「安全文化」の60項目を調査。併せて、同団体の調査員による現場でのインタビュー調査も実施する。2013年の開始以降、大手の石油化学、化学、石油精製、製鉄会社など、200件以上で実施されてきた。

同団体は21年、簡易版にあたるエッセンシャル評価も作成した。背景には、経済産業省が、高圧ガス保安法対象下の中堅・中小の保安レベルの向上について取り組みを推進してきたことが挙げられる。

<経費負担を軽く>

エッセンシャル評価の仕組みはフルバージョンと同様だが、中堅・中小の実態に即し、経費や事業所の負担を軽くした評価方法になっているのが特徴。調査項目は「安全文化」が25項目、「安全基盤」が最大30項目。課長クラスの自己評価は中堅・中小では難しいため、製造にかかわる全員を対象にした事前アンケートを実施。同団体から調査員が現地に赴き、インタビューを実施する。

評価方法も同様で、まずは調査項目ごとに点数をつける。その後、点数が低い項目ごとに事故やトラブルのリスクを提示し、インタビューや評価の実施事例などをもとに、改善策を提示する。

エッセンシャル評価は21年の運用開始以降、大手の化学や石油会社などがさまざまな業種展開を図るなかで、「本体とは異なる工程に関する安全面での指導が難しい」という理由から、評価依頼が増えている。これまでに実施した現場では危険有害物(火災や爆発、中毒など)などの取り扱いにおける工程や、労災リスクのある個所での対策不足が多いという。

さらにJSCCは、さまざまな中堅・中小の現場がより取り組みやすいよう、エッセンシャル評価のトライアル版を用意することで、保安レベルの向上につなげたい考え。フルバージョンは会員のみが受審可能だが、トライアル版は会員以外も受審できる。火災や爆発、中毒や薬傷の危険がある物質の取扱事業者、回転機器や高所作業、手作業などの労災リスクのある事業所とともに、若手の増加や人手不足が顕著な事業所などの受審を推奨している。

JSCCは「安全と働きやすい作業環境が整っている現場は、働くモチベーションを上げ、離職も防ぐ」と強調している。

保安力向上センター