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最新!化学事故情報

11 月の化学火災(誤混合での硫化水素発生は致死災害となる)

災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

11月29日「自動車整備工場の塗装スペースで火災」北海道
北海道札幌市の自動車整備工場での火災。何かの原因で塗装スペースから出火した可能性。従業員2名が煙を吸って負傷した。
ひとこと:自動車の塗装では酸化重合型塗料がよくつかわれており、以前は塗装ブースに付着した塗料かすの蓄熱火災が多く発生していた。

11月24日「木くず処理工場での火災」神奈川県
神奈川県横浜市の木くずの処理などを行う廃棄物処理施設で火災が発生した。

11月23日「化学工場で炭素繊維加工炉の火災」福島県
福島県いわき市の化学工場の炭素繊維加工炉の火災。3時間後に鎮火したが、設備などを焼損した。

11月22日「再生プラスチック工場でパレット製品の火災」福井県
福井県堺市の再生プラスチックを原料としたパレットを製造する工場での火災。3人が軽傷を負い、成型機本体及び付帯設備を含めて工場約1500平方メートルが全焼した。2024年4月現在再開の見込みが立っていないとのこと。

11月18日「セメント工場でベルトコンベアの火災」福井県
福井県敦賀市のセメント工場で、燃料のタイヤチップを焼却炉に運搬するベルトコンベアで火災が発生した。ベルトコンベアから出火してタイヤチップに延焼した可能性。

11月18日「廃棄物処理施設で磁選機から火災」東京都
東京都江東区の廃棄物処理施設で、鉄の選別や回収に使用される磁選機から出火した。磁選機と排出コンベアが焼損した。

11月17日「タオル工場で静電気除去装置から火災」愛媛県
愛媛県今治市のタオル工場内の静電気除去装置の高圧電流付近から出火した。従業員1人が火傷を負い、工場約580平方メートルが全焼した。

11月15日「製薬工場の清掃中にメタノールに起因する火災」富山県
富山県富山市の医薬原薬や中間体を製造する工場での火災。従業員がメタノールを使用して設備の清掃をしていた際に、設備付近から出火した。火は10分後に消し止められたが、従業員1名が胸や腕をやけどする重傷を負った。
ひとこと:研究機関等で反応釜の洗浄に可燃性溶媒を使用した場合、溶媒蒸気の排気不十分での火災リスクを考慮する必要がある。

11月9日「化学工場火災で黒煙が発生」米国 
米国テキサス州の接着剤などを製造する化学工場で、爆発後に火災が発生し巨大な黒煙が舞いあがった。従業員1人が負傷し、周辺一帯の住民に避難が呼び掛けられた。工場では硫酸なども使用していた。

11月7日「金属スクラップの火災」北海道
北海道石狩市のリサイクル施設のスクラップ置き場で、火災が起き多量の黒煙が発生した。金属スクラップから分別されて積まれていたリチウムイオン電池から出火した可能性。金属スクラップを重機で切崩しながらの消火作業となったため、鎮火に時間を要した。

11月6日「定期修理中に電気集塵機から火災 腐食によるスパーク発生か」愛知県
愛知県名古屋市の工業用の硫酸などを製造する化学工場の定期修理中に火災が発生した。。煙突の点検、修理中に電気集塵機の集塵板のアース材の腐食断裂によりアース不良が発生、集塵板上で局所的にスパークが発生し、集塵板が過熱され発火に至った可能性。

11月2日「ごみ処理場で催涙スプレー缶の催涙ガスが漏洩」東京都
東京都大田区の廃棄物処理施設で、」回収したごみの中にあった催涙スプレー缶からガスを抜くため作業員が穴を開けた際に、催涙ガスが漏洩し、ガスを吸った作業員4名が頭痛やせきなどで軽症。

11月2日「可燃性ガスのパージ作業中に爆発」山口県
山口県周南市の半導体製造装置などに使われる石英ガラス工場での爆発。石英ガラスの試作中に、装置の運転準備のため装置の配管内の残留ガスの除去作業中に、配管内に残留していたメタンまたは水素に着火した可能性。社員1名が頭を強く打って死亡し、もう1名が切創で軽傷。

11月2日「誤混合による硫化水素中毒」東京都
東京都大田区のメッキ廃液の処理工場で2種類の廃液を混合したところ、硫化水素が発生した。作業に関わった4人のうち1名が死亡し、1名が体調不良で病院に搬送された。

11月1日「カーペット工場で成型機の火災」奈良県
奈良県安堵町のカーペット工場の、加熱成形機から出火し、従業員3名が煙を吸って軽傷を負った。

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