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最新!化学事故情報

9月の化学火災(バイオマス発電での火災爆発に注意)

災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/)ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。

9月30日「花火大会で2尺玉の筒ばね」静岡県
静岡県熱海市の花火大会で、直径6月0cmの2尺玉1発で筒ばねが発生した。打揚げは遠隔操作で行われており、フェンスを破損したが、けが人はなかった。
ひとこと:筒ばねとは煙火(花火)の玉が打揚用の筒の中で開発(火が付いて開いてしまう)すること。

9月29日「金属加工工場でフッ化水素酸が飛散」愛知県
愛知県名古屋市の特殊金属加工工場で、フッ化水素酸(フッ酸)を供給するポンプの取替工事中に、何かの原因でフッ化水素酸が飛散した。従業員2名が飛散したフッ化水素酸を浴び、顔にやけどを負ったが軽傷だった。

9月24日「食品工場で有害ガスが発生」中国
中国雲南省のドライナッツメーカーの工場で、有害ガスの発生とみられる事故があり、作業員ら3人が死亡した。ナッツを洗浄していた
1人が中毒状態になり、様子を見に行った2人も同様の状態になった。また、20人以上が体調不良となった、生産設備の洗浄中だったとの情報がある。

9月22日「工場爆発で消防隊員4人を含め10人が死亡」台湾
台湾屏東県のゴルフ用品製造工場で火災と爆発が起き、消防隊員4人を含めて10人が死亡し、100人以上が負傷した。この工場にはブタジエンと過酸化物のほかチタン、タングステン、マグネシウムが保管されていた可能性が高く、これらの金属が爆発の原因ではないかとみられている。

9月22日「工場で爆発 2人死亡」中国
中国河北省滄州市の工場で爆発があり、従業員2人が死亡した。爆発音が3~4回聞こえた後、振動が伝わった。隣の工場にも延焼したため、従業員約40人が避難したという。
2023年7月には、江西省貴溪市の化学品メーカーで大規模な爆発が発生。5月には山東省聊城市にある中国中化集団傘下の工場が爆発して少なくとも従業員5人が死亡した。

9月21日「大学で実験中にガラス器具が破裂」宮城県
宮城県仙台市の大学実験室で、酸素を使用した実験中にガラス容器の内圧が上昇して破裂した。学生3名がガラスの破片で顔や腕、手に負傷した。

9月20日「製油所で水酸化ナトリウムが漏洩」宮城県
宮城県仙台市の製油所のタンクから約30Lの水酸化ナトリウム水溶液が漏洩した。外部への流出はなかった。

9月17日「化学工場で定期検査準備で爆発」静岡県
静岡県清水市のフッ素系の樹脂や溶剤などを製造する工場での爆発。定期検査の準備で、タンク内のエチレンを遠隔操作で、製造用の反応釜に一時的に移し替える作業中に爆発した。

9月14日「火薬工場で廃油タンクの配管が破裂」愛知県
愛知県武豊町の火薬工場で廃油タンクの配管が破裂し、工場や車のガラス窓などが割れた。

9月9日「バイオマス発電所の燃料受入建屋で爆発、火災」鳥取県
鳥取県米子市のバイオマス発電所の、燃料として使用する木質ペレットを保管する燃料受入建屋で爆発、火災があり、建屋の屋根や壁の一部が吹飛び、建屋やエレベーターが焼けた。その後の調査で、ステンレス鋼製のバケットがエレベーターの底からペレットをすくい上げる際、紛れ込んだ異物との間で摩擦熱が生じ、木質ペレットの粉じん爆発と火災を引き起こしたと報告された。

9月8日「鋳物工場で火災」富山県
富山県高岡市の鋳造工場で火災があり、1人が煙を吸って病院に搬送されたが、命に別状はなかった。工場の熔解炉で鋳型を作るためにワックスを使用していた。

9月7日「中学校で実験中に過酸化水素が分解」奈良県
奈良県宇陀市の中学校で、二酸化マンガンと過酸化水素水を反応させて酸素を発生させる実験で、講師が過酸化水素水の濃度を誤り、希釈せずに実験に使用したため、激しく反応して高温の過酸化水素水が噴出して飛散し、生徒2名が手に軽いやけどを負った。

9月5日「廃棄物処理工場で落雷とみられる火災」栃木県
栃木県壬生町の廃棄物処理施設での火災。出火時、現場付近は激しい雷雨で、落雷により出火した可能性もある。工場内の鉄くずが焼けた。

9月1日「製鉄所で熔けた鉄が流出」千葉県
千葉県千葉市の製鉄所で、熔鉄を積載したトロッコから別の容器に移送する際に、トロッコが転倒して熔鉄数十トンが流出した。

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