2025年4月の化学火災(硫酸が関与した事故2件、薬品火災)
災害情報センターのデータベース(http://www.adic.waseda.ac.jp/rise/ )ならびに、RISCAD(産業技術総合研究所が提供する事故データベース)のポータルサイト「さんぽのひろば」(hanpo.aist-riss.jp/sanponews/)の情報も参照し、海外の気になる事故を含めて、
産業分野の火災や爆発、漏洩などの事例を紹介する。
4月24日「スプレー缶残液による廃棄物処理工場での火災」新潟県
新潟県村上市の廃棄物処理施設で火災が発生し、1人が火傷を負った。中身が残っているスプレー缶から漏洩した可燃性ガスが場内に滞留し、電気設備の火花(スパーク)により引火 したものと推定された。
4月24日「アルミニウム加工工場の乾燥炉で爆発」福島県
福島県西郷村のアルミニウム加工工場の乾燥炉で爆発が起きた。工場の壁や屋根の一部が損傷した。けが人はなかった。同乾燥炉はガスを使用しアルミを加工するために設置されていた。
4月23日「実験室でフッ素蒸留操作中に破裂」愛知県
愛知県名古屋市の環境調査を行う会社の実験室でフッ素蒸留操作中にガラス製の蒸留装置が破裂した。1人が飛散したガラスの破片で頭部に負傷し,別の1人が煙を吸って体調不良となった。フッ素の蒸留操作で薬品を混合する作業中に破裂が起きたとのこと。
ひとこと:事故の報告ではフッ素蒸留とあるがフッ素の回収のための水蒸気蒸留と思われる。フッ化水素は 多くの化合物と激しく反応し、火災や爆発の危険性をもたらすことが知られている。
4月21日「塩化ビニル製造プラントでジクロロエタンの火災」千葉県
千葉県市原市の化学品製造工場の塩化ビニルモノマー製造プラントで二塩化エチレンの火災が起き、約8時間後に鎮火した。けが人はなかった。塩化ビニルモノマー原料のジクロロエタンが何かの原因で漏洩して着火した可能性。
ひとこと:ジクロロエタンは毒性、発がん性があると同時に極めて引火しやすく、取り扱いには注意が必要である。
4月17日「紙加工工場で火災」愛媛県
愛媛県四国中央市の紙加工会社で出火、鉄筋4階建て工場の2階部分にあるダクトの一部を焼いた。
4月17日「高専で実験中にガラス製器具が破裂」福井県
福井県鯖江市の高等専門学校の校舎2階の研究室で化学実験中にガラス製の実験器具が破裂した。器具の破片が飛散し,実験をしていた教員と付近にいた学生が顔や手に軽度の切創を負った。
4月10日「製油所で硫酸成分をヒータで加熱中に爆発」大阪府
大阪府堺市の製油所で硫酸成分の純度を高めるために、ヒータで加熱中に爆発が起きた。爆発により機械の配管の接続部が破損し,破片が周囲に飛散した。1人が擦り傷,3人が耳鳴りで搬送されたがいずれも軽傷であった。
4月9日「大学で硫酸の廃棄作業中に爆発,火災」韓国
韓国ソウル市の大学の実験室で硫酸の廃棄作業中に爆発,火災が起きた。50分後に鎮火したが,機材の一部が焼損した。外部への硫酸の流出はなかったが、学生1人が顔面やけどで重傷,学生3人が軽傷を負った。校舎内にいた学生ら約50人が自主避難した。学生が硫酸を廃棄していた際に,何かの原因で爆発が起きた可能性がある。
ひとこと:硫酸などの強酸の廃棄では強アルカリと混色して大きな熱を発生させたり、爆発する危険がある。また、硫酸は硫化物と混合して猛毒の硫化水素を発生する。廃棄作業では適切な保護具や保護面、少量でも保護メガネの着用が必要である。
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